その一言が言えない、このニッポン

辛淑玉【著】

• 販売会社／発売会社: 七つ森書館
• 発売年月日: 2013/08/24
• JAN: 9784822813826

商品レビュー

2016/03/14

辛淑玉（シンスゴ）氏　東京生まれの在日三世が、平凡に暮らしている日本人が、きっと、差別の意味を分かっていないだろうと、この平和主義的人種に教えたくて書いた本だと思う。

ついこの間、東日本大震災５年　３月１１日の特集を見ていたところだったが、今まで、東北の地震と言う事で、被害者の中に、９万人もの外国人が含まれ、戸籍が無い人もいるために、殆ど、発見されていないと言う事実に、衝撃を受けた。

又、孫正義氏が、義援金として、１００億円の寄付を発表した時に、世界の長者番付でも名前の載る人は、やはり違うのだと、思っていたが、この本を読んで、国際的経営者が、他の経営者の１０倍もの寄付をするのは、日本の国難を危惧してからの事だけでは無いと、、、、。
作者の言う事には、これは、在日を初め多くのマイノリティーにとっての「保険」となるからと、、、、。
そして、、その震災下の元で、性的被害があった事を、語られずにいると言う。

差別する、差別される、又、差別されることを今まで見たこともなかったこれまでの自分の人生で、この本は、ビックリする事ばかりであった。

数年前に、いつも行く飲食店で顔を合わせる　韓国人の「金さん」は、穏やかな老男性だったが、「自分は、税金もずっと払っているが、未だに、選挙権は無いんだよ！」と、言っていた事を思い出された。
きっと、日本人は、こんな事を知らなんだろうなぁ～と、思って話したんだろうと、今頃気づいた私であった。