商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 2013/08/22 |
JAN | 9784560509821 |
- 書籍
- 新書
ショアーの歴史
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ショアーの歴史
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ユダヤ人が迫害されるに至る長い歴史の本かと思っていたが、主にナチスによるジェノサイドについて詳細にまとめられた内容だった。600万人が殺されたということ、今まであんまりよく分かってなかった。順を追ってこの結果に至った様子を読んで、ようやく少し現実感が出てくる。想像力が追い付かない...
ユダヤ人が迫害されるに至る長い歴史の本かと思っていたが、主にナチスによるジェノサイドについて詳細にまとめられた内容だった。600万人が殺されたということ、今まであんまりよく分かってなかった。順を追ってこの結果に至った様子を読んで、ようやく少し現実感が出てくる。想像力が追い付かない。
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本文150ページほどとさして長い本ではない。しかし、途中から唸りながら読み、かなりの時間を掛けての読書となった。 ショアーはヘブライ語で惨事を意味する。ナチスによるユダヤ人に対するジェノサイド(=ホロコースト)を俯瞰する1冊である。 1939年から1945年という比較的短期間の...
本文150ページほどとさして長い本ではない。しかし、途中から唸りながら読み、かなりの時間を掛けての読書となった。 ショアーはヘブライ語で惨事を意味する。ナチスによるユダヤ人に対するジェノサイド(=ホロコースト)を俯瞰する1冊である。 1939年から1945年という比較的短期間の間に、ナチス政権はヨーロッパのユダヤ人を殺害した。その数、実に600万人。 これほどの惨事が、なぜ、どのようにして、可能であったのか。本書では、時系列に沿って出来事を淡々と述べ、流れを見ていく。 反ユダヤ主義は根が深く、深刻な暴力行為は十字軍の頃(11世紀)には始まっていたという。ユダヤ人に目印を付けさせたのが13世紀、14~16世紀には徐々に職業の幅も狭められていく(本書では触れていないが、「ヴェニスの商人」の舞台はこの頃か)。 こうした歴史の流れに、遺伝学の発展による優生学的な思想も加わっていく。 第二次世界大戦前、ヨーロッパの多くの国々が排外的となっており、1936年の時点で 「世界は二分されてしまったようだ。ユダヤ人がもう生きられない側と、ユダヤ人が入っていけない側にと」 とシオニズム運動の指導者が述べている。 ユダヤ人に対する暴動としてよく知られるのは1938年の「水晶の夜(クリスタル・ナハト)」だが、それ以前にも暴動はヨーロッパ各地で散発的に見られていた。 ユダヤ人たちは徐々にゲットーに集められ、財産を抑えられ、職業を奪われ、食糧を制限されていく。 収容所で大量に人が死ぬ前に、地盤は整っていたのだった。 ぱんぱんに膨れあがったゲットーはやがて解体され、多くのユダヤ人が収容所に運ばれる。その道程で、着いた先で、大量の殺戮が行われる。 実際の作業には、ユダヤ人から選ばれたものがあたることも多く、多くはその後、やはり殺されている。 世界は惨事に薄々気付きつつも、自国に大量の難民が来ることを怖れ、手を差し伸べなかった。そしてまた、その規模のあまりの大きさに、信じられなかった、という面も否定できないのだろう。 本書を読んでいても、「どうしてそうなったのか」という決定的な解答はない、と思う。そもそも解答が得られるものではないのかもしれない。 改めて、立ちすくむ思いで、いささか呆然としている。 巻末の著者の言葉から、この惨事の特殊性と普遍性を思う。 民族や宗教に対する特殊な歴史的背景はあった。 その一方、人を「劣ったもの」として「選別」し、尊厳を認めないまま命を奪う行為には、普遍的に強く訴えかけるものがある。 いつか誰かの身に起きたことではなく、自分の身にも起きうる(いや、起きている?)ことであり、それは被害者としてではなく、加害者としてなのかもしれない。おそらく、自らも犯しうる罪としてのその普遍性に自分もずっと引っかかり続けているのだと思う。 *文庫クセジュは、フランスの出版社Presses Universitaires de Franceから刊行されている叢書で、日本語版は白水社が翻訳・刊行している。 白水社HP・文庫クセジュhttp://www.hakusuisha.co.jp/quesaisje/ 本文中に随時、注を差し挟むスタイルで読みやすい。が、巻末参考文献もフランス語のものが多く、本書が日本人読者の入門書としても優れているかどうかはちょっとよくわからないところがある。 <ナチス/ホロコースト関連書でレビューを挙げたもの> ・『ナチスのキッチン』 ・『星のある生活―他 (東欧の文学)』 ・『HHhH (プラハ、1942年)』 ・『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』 ・『戦争と飢餓』 ・『レンブラントの帽子』 ・『卵をめぐる祖父の戦争』 ・『ある秘密』 ・『慈しみの女神たち・上』 ・『慈しみの女神たち・下』 ・『サラの鍵』 ・『「アンネ・フランク」を超えて』
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この本は人類必読の書かもしれない。そこに書いてある壮絶な内容に、同じ人間が人間に対して、ここまでできるのか、を感じる。 ドイツにおける反ユダヤ主義の伝統は古く、それは激しいものだった。 1939年、ポーランドを属国化したドイツは。欧州ないし全世界におけるユダヤ文化のかなめの1つ...
この本は人類必読の書かもしれない。そこに書いてある壮絶な内容に、同じ人間が人間に対して、ここまでできるのか、を感じる。 ドイツにおける反ユダヤ主義の伝統は古く、それは激しいものだった。 1939年、ポーランドを属国化したドイツは。欧州ないし全世界におけるユダヤ文化のかなめの1つである国を支配下においてしまった。 ユダヤ人も、まさかドイツがそこまでやるとは思っていなかったようだ。
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