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昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実 日経ビジネス人文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2013/07/03 |
JAN | 9784532196905 |
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昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実
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昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
陸軍省軍務局を長く歩いた著者による支那事変から大東亜戦争まで。 勉強しない上司が下剋上の風潮を生んだという指摘はなるほどと思った。 また、軍政面から合理的に考えて困難な作戦について、それでもやると主張された場合に統帥部を止めなかった(あるいは止められなかった)責任の所在については...
陸軍省軍務局を長く歩いた著者による支那事変から大東亜戦争まで。 勉強しない上司が下剋上の風潮を生んだという指摘はなるほどと思った。 また、軍政面から合理的に考えて困難な作戦について、それでもやると主張された場合に統帥部を止めなかった(あるいは止められなかった)責任の所在については、戸部良一が解説で指摘している通り、考えなければならない問題なのだろう。
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エリート将校が明かす失敗の本質。 豪放を演じていた山下泰文、能力人格ともにピカイチだった永田鉄山、実は優秀な大臣だった板垣征四郎。 陸軍省を知り抜いた軍人による裏面史。 勉強しない幹部、思い込みに基づく意思決定、馬一頭の予算削減で悶着。550万人という巨大組織にもかかわらず日本陸軍の運営はあまりにずさんだった。謎の部分が多い戦時体制下の陸軍中央部内の動きを、知られざるエピソードを交えて、エリート将校が冷静な視点で明らかにする。(親本は1980年刊、2013年文庫化) ・文庫版まえがき(土門周平) ・序文(栂博) ・解題(森松俊夫) ・はしがき ・略歴 ・満州事変発生当時の軍事課 (中略) ・支那派遣軍への転出 ・付録第一(西浦進略歴) ・付録第二(陸軍省官制) ・解説(戸部良一) 著者は元陸軍大佐。1931年から44年まで陸軍省に勤めている。その間3年の海外勤務による中断を挟んでいるが、本省勤務は10年余りに及んでいる。その大半を軍務局軍事課(編成班、予算班、編成班長、予算班長、高級課員、軍事課長)で過ごしている。 本書の内容は昭和22年7月回想記述されたものであり、史実調査部で保管利用されていたが、昭和35年、戦史部内の研究史料とするため、37部に限定して、ガリ刷の1冊の本となったという。 本書は「比較的印象明瞭な事項のみ記述してあり、公表を目的としたものでない」という。筆のむくまま記述されており、略語や、当用漢字にない文字(2013年刊行であればフリガナが欲しいところである)、あて字が多く読みにくい。また、人名が多く混乱させられる。予備知識が無いと理解しにくい。 本書を読んで、あらためて驚かされたのは、陸軍省というのはお役所であり、官僚組織であるという事である。まず編成班で、著者は、軍備整理、行政整理の仕事を行う。判任文官1名の削減を行うため、省内各課を歴訪してなんとかつじつま合わせをする。また、全軍で馬匹10頭ばかりどうしても予算から超過する。そこで、使用頻度の少ない、戸山学校長、技術本部の将官連中の乗馬を削って穴をふさぐことにする。(校長が怒鳴り込んできたという) 著者は「こんなにまでして守り抜いた一兵一馬その貴重さを、本当に認識しながら、事後の十数年の間の戦争に当たったかということ」に疑念を呈しているが重い言葉である。p38 このエピソードは、満州事変が拡大していく最中の事であるというが、陸軍の行き当たりばったりな感じを象徴しているように感じられる。「計画判断をたてることが仕事のすべてで、あとの運用は放りっぱなしである」との回想もある。 予算班では、大蔵省との折衝を行う。山下軍事課長が賀屋予算決算課長と折衝を行う場面p61や福田赳夫の思い出など、大蔵省の予算主任者には、かなりつっこんで軍のことも色々説明したというp154 上級者の不勉強という項目がある。課長、局長以上、時として高級課員が仕事を知らないことにびっくりしたという。陸軍の下克上の風が盛んだったのには、上級者が実際の仕事から浮いていたことも一つの理由であるとする。p77上級者の不勉強は、海軍側の回想録にもあるが、陸海軍ともに共通する問題があったことがわかる。 取っ付きにくい本ではあるが、戸部良一の解説を読めば概要がわかる。証言は昭和20年までであり、日本陸軍終焉の真実というタイトルは的外れの感があり、文庫化にあたって改題する必要は無かった気がするが、陸軍という組織の実態を知る上で、貴重な証言であり一読の価値がある。
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陸軍省の中枢、軍務局軍事課の軍籍官僚による手記。予算、人員計画を預かるみとしての責任と苦悩、現場との対立、上司の不勉強への憤慨など、当時の陸軍組織も、今の官庁や大企業と酷似しており、著者の回顧は、現在の経営企画実務者には共感を呼ぶところが大きい。暴走、強権、独善などと呼ばれる陸軍...
陸軍省の中枢、軍務局軍事課の軍籍官僚による手記。予算、人員計画を預かるみとしての責任と苦悩、現場との対立、上司の不勉強への憤慨など、当時の陸軍組織も、今の官庁や大企業と酷似しており、著者の回顧は、現在の経営企画実務者には共感を呼ぶところが大きい。暴走、強権、独善などと呼ばれる陸軍組織が、一般的な組織としてどのように戦争に引き込まれていったか、現在のビジネスマンが多く共感するとともに、かつての陸軍が決して特別な存在ではなく、同様なことは日本の組織のどこにでも起こりそうだということがわかる。
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