先生！ 岩波新書

池上彰【編】

• 販売会社／発売会社: 岩波書店
• 発売年月日: 2013/07/22
• JAN: 9784004314349

商品レビュー

2024/08/17

池上さんが呼びかけた、現場にいる先生はもちろん、著名人、文化人、元スポーツ選手など、バラエティ豊かな人たちの「先生！」にまつわるエッセイ集。去年、朝日新聞の「折々の言葉」でこの本からの引用が何回か掲載されていて、気になっていた。先に生きている人。先生。当たり前だけど、いろんな先生がいるし、いろんな教え子がいる。いい先生と呼ばれる人が必ずしも全員の心に残るわけでもないし、変な先生が実は身をもって教えてくれることもある。

生徒が周囲を困らせているときは、生徒自身が困っているときである。（P44)
先生は、教えることよりも待つことが人を育てることを知るべきだと強く思う。（P69)
「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」（ロジェ・ルメール）（P73）

…あげていったらキリがないほどに、教育の真髄が散りばめられていた。

2024/07/28

10年も前の本だからか、今の教育とは少しずれている気がすることも書かれていた。

知識の詰め込みをする教育は終わった。
その知識を自分なりにどうするかを考えさせようとする教育はやっぱり大切だと思う

2024/02/23

27人のお話の中で印象に残ったのは2つ。
立ち読みで良いので、是非読んで欲しい。
田中茂樹さんの「大切な『症状』」
症例検討会で問題を解決してきたことを報告書すると、先輩カウンセラーから、「田中先生は少し早く治しすぎですね。すぐに症状をとってしまわれる。症状はその人にとって大切なものです。簡単にとってしまっていいはずがないのです」と言われてしまう。
大切なのは、「症状」のような表面に見えているものにとらわれてはならないということ。

もう一つは、最後の太田光さんと池上さんの対談。
「先生にはそもそも期待していなかった」と話すのは太田さんらしい。ただ、「いま、やけに学校に対して期待が大きすぎると思う」というのは、確かにそうだなと。
生徒からしたら、学校の他にも学ぶ場所はたくさんある。
そう考えると少し肩の力が抜けて、生徒と接していけそう。
そして、「学問を武器にして生徒とわかりあう」ということに本気で取り組んでいこう、と思える。