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英国マザーグース物語 聖夜に捧ぐ鎮魂歌
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英国マザーグース物語 聖夜に捧ぐ鎮魂歌
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4.3
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まさかここまでするとはな 山田風太郎作品の明治ものを思わせる驚きの大展開 アレクサンドラ妃がシュレースヴィヒ=ホルシュタイン問題を口にして 怪盗が水晶宮から飛行船で逃げていくところから予想されていたとも言えるが げに少女向けライトノベル恐るべし 同年代男子向け仮想戦記のしている...
まさかここまでするとはな 山田風太郎作品の明治ものを思わせる驚きの大展開 アレクサンドラ妃がシュレースヴィヒ=ホルシュタイン問題を口にして 怪盗が水晶宮から飛行船で逃げていくところから予想されていたとも言えるが げに少女向けライトノベル恐るべし 同年代男子向け仮想戦記のしているのとは格が違う 今巻1話目も理詰めで進むはコバルト文庫読者がついてこれるか不安になったが わかっていないのはこちらだった それはともかくヴィルヘルム二世の三流悪役ぶりは流石の味わい
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“乱暴に顔の雨をぬぐうと、殴られた頬が痛んだ。 重い身体をひきずるように、下宿の階段をのぼる。すると足音で帰りを察したのか、自室の扉からレナードが出迎えた。 「ジュリアンさま」 こちらの顔を見たとたん、レナードが目をみはる。 「話なら明日にしてくれないか、レナード。今夜はもう休み...
“乱暴に顔の雨をぬぐうと、殴られた頬が痛んだ。 重い身体をひきずるように、下宿の階段をのぼる。すると足音で帰りを察したのか、自室の扉からレナードが出迎えた。 「ジュリアンさま」 こちらの顔を見たとたん、レナードが目をみはる。 「話なら明日にしてくれないか、レナード。今夜はもう休みたいんだ」 「いえ、そうではなく——」 なおもなにか伝えようとするレナードにはかまわず、ジュリアンは部屋をよこぎる。 だが寝室の扉に手をかけようとしたところで、足はとまった。 無言のまま、じっと扉の向こうを見つめる。 ジュリアンは目を閉ざした。ひとつ、深く息を吸いこんでから、寝室に足を踏みいれる。 ゆれるランプの灯りのなか、本棚に向かいあっていた人影が、こちらをふりむいた。 労働者ふうの、くたびれた身なりをしているが、見まちがえるはずもない。 均整のとれた長身。光を透かす銀の髪。青みのほとんどない灰の瞳。 その怜悧な表情は、三年の時を経て、精悍さを増しているだろうか。 そしてジュリアンは微笑を浮かべた。 「おかえりなさい、兄上」”[P.60] 5巻目。 曰く、怒濤の言い訳篇。 物理的にも精神的にもジュリアンふるぼっこ。 四人兄弟で演奏してるシーンが楽しくて好き。 再びガブリエルが出てきたのは嬉しかった。 読んでいて言い得ない難しさが気の短い従者の行動で落ち着く。レナードのこの行動が好き。 そこからのセシルの気持ちの変動と、驚きの終わり方に続きが気になる。 “「ごめんなさい、ジュリアン」 ごめんなさい。ごめんなさい。 伝えたいことはたくさんあるのに、もう時間がない。 「——二」 あなたに出会えてよかった。あなたを好きになれてよかった。 だからわたしを忘れないで。でもどうか苦しまないで。 あなたには、誰よりも幸せになって欲しいから。 「——一」 耳許で、金属音が鳴る。 その刹那、セシルは手首をかえし、銃口を自分の胸に押しつけた。 こうすれば、セシルの身体を貫いた銃丸は、クリストファーまで届く。あとは、ジュリアンがなんとかしてくれる。 たちまち目をみはるジュリアンの顔を、セシルは瞳に焼きつける。 「——セシル、やめろ!」”[P.313]
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ラスト直前巻です。 自分の正体を明かした彼の全ての言葉を否定し殻に籠るセシルの気持ちも、彼女との関係を失ってしまうことを恐れた彼の焦燥、苦い後悔、それでも諦められない想いも、とってもグっとくる巻。 あきさんのイラストで、寂寥感、増量。 レナード従者の鏡。 http://book...
ラスト直前巻です。 自分の正体を明かした彼の全ての言葉を否定し殻に籠るセシルの気持ちも、彼女との関係を失ってしまうことを恐れた彼の焦燥、苦い後悔、それでも諦められない想いも、とってもグっとくる巻。 あきさんのイラストで、寂寥感、増量。 レナード従者の鏡。 http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-2983.html
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