商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社インターナショナル/集英社 |
発売年月日 | 2013/05/15 |
JAN | 9784797672466 |
- 書籍
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僕の島は戦場だった
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僕の島は戦場だった
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沖縄が大好きだけど、そういえば沖縄の歴史はほとんど知らないなあと思って手に取った。 悲惨としかいいようがない集団自決や沖縄戦の経験者へのインタビューをもとに構成されている。もう無邪気に、沖縄大好き!沖縄行きたーい!などとは言えない。 集団自決は洗脳があったからだとは思うし、当時の...
沖縄が大好きだけど、そういえば沖縄の歴史はほとんど知らないなあと思って手に取った。 悲惨としかいいようがない集団自決や沖縄戦の経験者へのインタビューをもとに構成されている。もう無邪気に、沖縄大好き!沖縄行きたーい!などとは言えない。 集団自決は洗脳があったからだとは思うし、当時の状況で命令されたら逆らえないという状況ではあっただろうが、今のロシアのウクライナ侵攻の報道を見ていると、相手軍に捕まってひどい拷問や暴行をうけるくらいなら自分で死んだ方がましだと思う気持ちもわからなくはないと思ってしまった。戦争というのはそれくらい人の思考もおかしくしてしまうのだと思う。
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ひめゆり部隊、集団自決…言葉は知っていても、きちんと理解していなかった。戦争の悲惨さは小説や映画で何度も観てはいるのだけれど、何か遠い世界のことのようで、この平和な日本で、かつて実際に起こったことだと受け止めるにはあまりにもつらい現実だ。しかし佐野眞一は、甘い!真実はもっと残酷...
ひめゆり部隊、集団自決…言葉は知っていても、きちんと理解していなかった。戦争の悲惨さは小説や映画で何度も観てはいるのだけれど、何か遠い世界のことのようで、この平和な日本で、かつて実際に起こったことだと受け止めるにはあまりにもつらい現実だ。しかし佐野眞一は、甘い!真実はもっと残酷なのだ!と目の前に現実を突きつけてくる。 沖縄へ何度も出向き、戦争孤児や集団自決の生き残りの方々から話を聞き、自分で現場を確かめたルポは、バーチャルとなって私に訴えかけてくる。母の叫び声や子供たちの泣き声が聞こえてくるようだ。何度も本を閉じたくなる。だけど、かつて沖縄で信じられないような地獄絵図が繰り広げられたのだと本土の人はもっと知るべきだと思う。 米兵に捕まると惨殺されると日本兵に脅かされ集団自決を村ごとに決意。家族単位で殺しあう。武器もないので石や木で、親や子供を撲殺する。最後のインタビューは集団自決の生き残りで当時16歳。兄と一緒に母親の頭部を石で叩いたという。自分たちが死ぬ段になって、どうせ死ぬなら米軍に斬りこんで死のうということになり、広場を出たところで日本軍に出会い非常に驚いた。「日本軍は生きていたのか」と。聞くと「自分たちは報告の義務があるから生き残らなくてはならないんだ。」と言う。裏切られた気持ちになりますよね。戦争孤児の生き残りの方も言っていた。「生き残った子供たちを救ったのは米兵だ」と。「米兵に看護を受けている人を見て、自分の家族は死ぬ必要がなかったんじゃないかと慟哭した」と。 戦争孤児の話はさらに悲惨だ。家族とはぐれて一人ぼっちになった八歳の少女は、いくら寂しかろうと、自分らが生きることに精いっぱいの集団にとっては完全に足手まといであっちへ行けとはじき出された。喉が渇いたので死体を押しのけ、そこにたまってる水を飲んだら人の血だった。 孤児院に収容されて数か月後、子供が兵隊にとられたまま帰ってこない夫婦にもらわれたが、働かせるために養女にしたようで、家の仕事をしてからでないと学校へ行かせてもらえない。良い成績をとって帰ると孤児院育ちのくせにといじめられた。戦死したと思っていた息子が帰ってくると今度は家を追い出されてしまった。生き地獄だ。 戦後70年が経つ。証言者はみな70歳超えで、あと何年生の声が聞けることか。しかし靖国問題(沖縄で日本兵に見殺しにされた沖縄の犠牲者が戦闘参加者として靖国神社に合祀されている。)、米軍基地移設問題、老人のPTSDと、沖縄の戦後はまだまだ終わらない。
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右とか左とか関係なく、ただ沖縄戦での悲惨さを関係者のインタビューを中心に掘り下げるという本書であっても、靖国や援護金や宗教問題が絡むと純粋に総括的な沖縄戦の悲惨さを感じることができなくなります。 結局それは、戦後沖縄の人達が必死に生きた故の矛盾だとは思いますが、ボクらはただ沖縄...
右とか左とか関係なく、ただ沖縄戦での悲惨さを関係者のインタビューを中心に掘り下げるという本書であっても、靖国や援護金や宗教問題が絡むと純粋に総括的な沖縄戦の悲惨さを感じることができなくなります。 結局それは、戦後沖縄の人達が必死に生きた故の矛盾だとは思いますが、ボクらはただ沖縄を傍観し時が過ぎ去るのを待つだけで良いのかと感じました。
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