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初恋の女の娘 フランス書院文庫
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初恋の女の娘 フランス書院文庫

青橋由高【著】

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初恋の女の娘 フランス書院文庫

764

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2013/02/25
JAN 9784829619131

初恋の女の娘

¥764

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2013/11/29

がっぷり四つに主人公を奪い合う母娘

アンソロジー(短編集)を除いた本格長編の「黒本」としては作者の4作目にあたり、初めてメイドから離れた作品。タイトルからまさかの回春モノか?という第一印象にもなりそうだが、かつての母校に勤める高校教師(35歳)を主人公とし、この教え子(16歳)と母(36歳)の一見瓜二つな母娘ヒロイ...

アンソロジー(短編集)を除いた本格長編の「黒本」としては作者の4作目にあたり、初めてメイドから離れた作品。タイトルからまさかの回春モノか?という第一印象にもなりそうだが、かつての母校に勤める高校教師(35歳)を主人公とし、この教え子(16歳)と母(36歳)の一見瓜二つな母娘ヒロインとしている。そして、この母がタイトルにある「初恋の女」となる訳だが、ここに主人公の勤め先が、その設定としても舞台としても味わいのベースとなっている作品である。 母娘に限らず2人ヒロインの場合、各章で交互に出てきて最後に全員集合という構成もありがちなのだが、本作の場合、娘が先に登場し、しかも生娘の儀式(いわゆる破瓜)が序盤で早くも訪れる展開に妙味がある。優等生らしい聡い面が勉学ではなく主人公ラヴの方面に発揮されており、さらには小賢しさもある「ああ言えば、こう言う」タイプの快活な娘とのやり取りも面白い。しかし、ここで出来てしまった既成事実が後の顛末の礎にもなっている。 中盤から満を持して(?)登場の母だが、その出会い(再会)から情事に至る仲となり、逢瀬を重ねて溺れていくまでを、娘をダシにした駆け引きを織り交ぜ、しっかり描いている。「女」から「母」となって久しく、夫からも冷遇される母が、過去の青春の思い出と現在の許されぬ背徳の関係をスパイスに再び「女」に目覚めていく。この過程が濃密な情交描写と共に展開していくいやらしさがある。敏感な反応で昂ぶっては何度も何度も絶頂を繰り返し、最後はイキッ放しとなる青橋作品らしい描写とも言えよう。中盤から終盤までは母の独壇場である。 最終的には互いが張り合う形にもなるため、終盤はガチンコ勝負の様相を呈していく。自分を選んでほしいがために哀れな懇願さえも見せる段になると痛々しさすら感じる有様だが、それだけ一生懸命でリアルであるとの見方もできるだろうし、不自然な和解や一方が引くといった安易な纏め方を選ばなかった結果と言えるのかもしれない。この熱情の先に結末がある。

DSK

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