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放射能問題に立ち向かう哲学 筑摩選書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2013/01/17 |
JAN | 9784480015648 |
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放射能問題に立ち向かう哲学
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放射能問題に立ち向かう哲学
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原発の問題に対しては何となく違和感があった。原発は人間には手におえないシロモノで、私自身は、即刻すべての原子力による発電をやめるべきだ、と20年以上前から考えている。デモや何やと反対運動が盛り上がるのは悪いことではない。お祭り騒ぎでも、今まで何も考えていなかった人が考えるきっかけ...
原発の問題に対しては何となく違和感があった。原発は人間には手におえないシロモノで、私自身は、即刻すべての原子力による発電をやめるべきだ、と20年以上前から考えている。デモや何やと反対運動が盛り上がるのは悪いことではない。お祭り騒ぎでも、今まで何も考えていなかった人が考えるきっかけになるのはよい。しかし、放射線に対する恐怖感のようなものが、何か違っているような気がする。医療による放射線はもちろん、それ以外でもこの自然界に生きている限りは何らかの放射線を常にあびている。そして、たとえばガンになるということが、放射線が原因なのかどうかなんとも言えない場合が多い。タバコの煙は目にも見えるし、自分が好んで吸っている人自身はともかく、まわりの人間にも影響があるので、ほかに人がいるところでタバコを吸うのは良くないと思う。タバコ自体の害については、何らかの影響があるのは確かだろうが、タバコをやめることでかえってストレスがたまり、早死にしそうだと言いながら、ヘビースモーカーであることをやめないまま、結局大やけどが原因でこの世を去ってしまった人もいる。(森先生ならこの放射線の問題はどう考えただろう。)電磁波の問題だって、放射線と似たり寄ったりでわからないことが多い。携帯電話は大丈夫なのか、電磁調理器は、パソコンは・・・。もうここまで来てしまうと、それらにおびえて、何もない自然の世界で生活するということもしづらいし、ほとんどの人は思考停止のまま生活をしていくのだろう。本書を読む中で、はっきりとした答えは出せないのだ、ということが論理的に間違っているわけではない、ということが確信できた。モヤッとした感じだけれど、スキッとした。考えなければいけない問題は、強制的に避難させられて、生活環境が変わったことが原因で、死期が早まったりする人がいるということだろう。年寄りであれば、仮に今回の事故による放射線が原因でガンを発症したとしても(そんなこと分かりっこないのだが)、10年以上生き続けられる可能性も高い。同じ地域の住民は一律同じように退避させるというのではなく、年齢や個人の条件によって選ぶことができる、そういうゆるやかな施策が必要なのだろうと思う。
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