商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2012/11/15 |
JAN | 9784480015587 |
- 書籍
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世界正義論
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世界正義論
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
グローバルジャスティスについての書。索引がないのがつらいが、よく読んで勉強する必要あり。著者よりいただく。
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国内的な文脈で語られることが多い「正義」が、グローバルなレベルでも妥当するのかということについて規範的な議論を展開する。最初から最後まで、とても参考になる議論ばかりである。ただ、気になったところがあるので、ここで一つだけ書いておきたい。 最終的に井上達夫が提出する「諸国家のムラ」...
国内的な文脈で語られることが多い「正義」が、グローバルなレベルでも妥当するのかということについて規範的な議論を展開する。最初から最後まで、とても参考になる議論ばかりである。ただ、気になったところがあるので、ここで一つだけ書いておきたい。 最終的に井上達夫が提出する「諸国家のムラ」構想における「諸国家」は、互酬性ネットワークから外れると経済的に自足できないために、ムラ八分にされるというサンクションが機能する(脆弱性の共有)ことが前提とされていたが、これが現実の諸国家を反映しているとはどうしても思えない。 さしずめロールズの原初状態のように、そこから何らかの正義原理を導出する正当化論拠として「諸国家のムラ」構想が用いられるならば納得できるが、現実の国境、人口、文化、文明から考えて、互酬性ナシで経済的に自足し得る国家というのはいくつか存在すると考える。とすると、この「諸国家」というのは、ロールズに対する一般的な批判である「負荷なき自我」とパラレルな、「負荷なき国家」とも言うべき、全く新しい国家枠組みではないのだろうか。 「本来国家とは『諸国家のムラ』のような在り方が望ましく…」というように(ルソーの自然状態観のような)、「諸国家のムラ」構想を原初状態ないし自然状態としての構想として存立し、そこから現実の国家状況にも適合する正義原理を導出する、という順番ならわかる。 しかし、これこそがまさに目指されるべき国家構想であり、欧米の列強国にあっては民主的プロセスを経て内部変革する他ない、というのは説得力に欠けるような気がする。
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何が正義であるかは、国内と国外では異なるという問題意識から、世界正義(国際社会における正義)を論じた本。論じられているテーマは、メタ世界正義論、国家体制の正統性について、世界経済の正義、正戦論、世界秩序である。 本書は 、各問題の根底にある哲学的な議論を提供し、筆者独自の見解を見...
何が正義であるかは、国内と国外では異なるという問題意識から、世界正義(国際社会における正義)を論じた本。論じられているテーマは、メタ世界正義論、国家体制の正統性について、世界経済の正義、正戦論、世界秩序である。 本書は 、各問題の根底にある哲学的な議論を提供し、筆者独自の見解を見出しつつ、議論や見解を踏まえた提案をしている。しかし、哲学的議論そのものが難解であること、用語がとっつきにくく、さらには筆者の文体がかなり読みづらいことから、議論の詳細を追うのは骨の折れる作業である。 哲学的に正しいとされる解決策を本書では提示しているが、それの実現可能性はどうか、そもそも、正義にかなう解決策であっても、それが最善の結果を生むのかということについては最後まで疑問に残った。
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