商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | オーム社 |
発売年月日 | 2012/11/12 |
JAN | 9784274212833 |
- 書籍
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マイクロスコープ
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マイクロスコープ
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<野口英世や北里柴三郎や宮沢賢治はこんな顕微鏡を覗いていた・・・?> 19世紀初頭から20世紀半ばまでのちょっとレトロな顕微鏡の写真集である。 「え? 顕微鏡の写真集? おもしろいの・・・?」という感じだが、これがなかなか味わい深い。 年代を追って、シンプルな筒状のものから、...
<野口英世や北里柴三郎や宮沢賢治はこんな顕微鏡を覗いていた・・・?> 19世紀初頭から20世紀半ばまでのちょっとレトロな顕微鏡の写真集である。 「え? 顕微鏡の写真集? おもしろいの・・・?」という感じだが、これがなかなか味わい深い。 年代を追って、シンプルな筒状のものから、次第にコンデンサ(集光)レンズやレボルバー(対物レンズを交換せずに済ませるための回転板)、焦点を合わせるための粗動微動装置などが徐々に付加されていく。 持ち運びが出来るように、折り畳み式となったもの。解剖台が付いたもの。生徒に教えるための供覧用のもの。偏光顕微鏡。 初期のものは木製であったり、真鍮製であったり、材質もレトロだ。 小さいものを拡大して見る顕微鏡の発展には、いくつかの理論と技術の組み合わせが必要だった。 顕微鏡メーカーの1つとして名高いカールツァイスが優れた顕微鏡を作り出すには、創業者カール・ツァイスの優れたレンズ、物理学者エルンスト・アッベの光学理論、ガラス職人オットー・ショットが開発した新種の光学ガラス、そして物理学者アウグスト・ケーラーが確立した照明法が必要だった。技術の粋を集め、改良に改良を重ねて、ミクロの世界を詳細に見せる顕微鏡が出来上がっていったのである。 日本では、顕微鏡は研究の道具としてしか捉えられておらず、新機種が出れば古いものは放置されるかあるいは廃棄される。ある意味、「使い捨て」の対象である。 こうして忘れ去られようとしている顕微鏡を集めてきたのが、顕微鏡販売専門店の浜野顕微鏡の経営者である。本書はその貴重な浜野コレクションを撮影したものである。 浜野氏は、時代の趨勢から、次代にこの仕事を引き継ごうとは考えていない。会社がなくなれば、貴重な顕微鏡がスクラップと化すかもしれない。交友があった写真家の秋山実はこれを惜しみ、せめて写真として残そうと考えた。その結実が本書である。 前述のカールツァイス、あるいはライツ、オリンパス、ニコンを初めとする、レトロで風格がある顕微鏡の数々。 レーヴェンフックの顕微鏡のレプリカもあって興味深い。 メカニックな美しさを堪能できる1冊である。
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