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溺死人 創元推理文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
| 発売年月日 | 1984/02/01 |
| JAN | 9784488111045 |
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溺死人
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溺死人
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商品レビュー
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インド出身のイギリスの作家イーデン・フィルポッツの長篇ミステリ作品『溺死人(原題:Found Drowned)』を読みました。 イギリスの作家の作品は、先日読了したサイモン・スカロウの『ベルリンに堕ちる闇』以来ですね。 -----story------------- ダレハムの...
インド出身のイギリスの作家イーデン・フィルポッツの長篇ミステリ作品『溺死人(原題:Found Drowned)』を読みました。 イギリスの作家の作品は、先日読了したサイモン・スカロウの『ベルリンに堕ちる闇』以来ですね。 -----story------------- ダレハムの海岸で男の溺死体が発見された。 その六週間前、自殺すると言って姿を消した一人の旅芸人がいた。 当然、人生に絶望したその青年の死体と思われたが、死因に疑問を抱いた医師メレディスが、友人の警察署長フォーブズの許しを得て独自の捜査に乗り出す。 単なる自殺と思われていた事件に隠された真相とは? 『赤毛のレドメイン家』のフィルポッツが贈る傑作長編推理小説。 解説=「フィルポッツ・ノート」戸川安宣 ----------------------- 1931年(昭和6年)に刊行された作品です。 グレハムの海岸の洞窟で男の溺死体が発見される……その6週間前、自殺すると言って姿を消した旅芸人の青年でバンジョー弾きのジョン・フレミングと思われたが、死因に疑問を抱いたメレディス医師は友人でグレハム警察の署長ニュートン・フォーブズの許しを得て検死を行い、死因は溺死ではなく頭部への強打であったことが判明したころから、独自に捜査を始める、、、 かくして、単なる自殺事件と思われていたものの裏に隠れた真相に、独力で迫っていく……。 妻を殺害した容疑で夫が逮捕され、息詰まる裁判が開かれるが……名作『赤毛のレドメイン家』や『闇からの声』でおなじめのイーデン・フィルポッツが、死刑論や社会論を随所に展開しながら綴る1931年の長篇推理小説、待望の本邦初訳。 行方不明となっていたジョン・フレミングの遺体が発見されるところから物語が動き出します……ところが、その遺体が本当にフレミング本人なのか!? 読者の疑念を刺激する展開が序盤から続き、この“別人ではないか”という違和感が作品の大きな推進力になっていました、、、 遺体の身元をめぐる謎や、登場人物たちの証言が少しずつ食い違っていく構図は、古典ミステリらしい味わいがあって愉しめましたね……特に田園地帯の空気感や、人物同士の微妙な関係性がじわじわと効いてくる点は魅力的です。 一方で、展開がやや冗長に感じられる部分もあり、物語の核心に迫るまでに時間がかかる印象は否めませんでしたね……また、事件の真相が主に証言の積み重ねによって明らかになっていくため、劇的な転回や鮮やかな推理の決め手を期待すると、少し物足りなさが残りました。 総じて、派手さはないものの、身元不明の遺体という古典的な題材を丁寧に扱った一作でした……じっくりと人物の言動を追いながら謎を読み解くタイプのミステリが好きな読者には向いている作品だと思います。
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リゾート地・ダレハム海岸で、稼ぎがうまくいかず、絶望している様子だったジョン・フレミングが行方不明になりました。本編の語り手メレディス医師は、見切りを付けてこの地を去った説、友人の警察署長ニュートン・フォーブズは、海に身を投げるとかして自殺した説を主張して、論争をしていたわけです...
リゾート地・ダレハム海岸で、稼ぎがうまくいかず、絶望している様子だったジョン・フレミングが行方不明になりました。本編の語り手メレディス医師は、見切りを付けてこの地を去った説、友人の警察署長ニュートン・フォーブズは、海に身を投げるとかして自殺した説を主張して、論争をしていたわけですね。そこへ、フレミングらしき溺死体が発見されて…。フォーブズのドヤ顔によっぽどムカついたと見えて、メレディスは捜査を始めます。発見された遺体を調べることから始め、次々と手掛かりがもたらされます。真相が明らかになった時、フォーブズはメレディスのドヤ顔返しに加えて、とんでもない提案を迫られて、実にお気の毒…。 クリスティとか読んでいると、ラストにもっとどんでん返しを期待してしまいますよね。それが低評価につながるのかもしれませんが、ラストの台詞、「(前略)ところで、不幸なヨーロッパの地平線上のどのあたりで再び戦争が始まると、きみは思うかね?」にはゾッとさせられました。この作品、1930年が舞台なのです。メレディスが暴いた悪など、戦争という巨大な破壊と殺戮に呑み込まれてしまうということになると、やりきれないけれど、私たちは知っているのですもの。
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メレディスとフォーブスとの間の、「捜査は俺に任せろ」論争の理屈のこね具合が半端ないです。顔を合わせるたびにくり広げられる、本筋とは関係ない二人の論争もすごいです。フィルポッツの教養の深さというか思想の幅広さというか、そういうものがうかがえます。ただその辺を面白がれないと、冗長な部...
メレディスとフォーブスとの間の、「捜査は俺に任せろ」論争の理屈のこね具合が半端ないです。顔を合わせるたびにくり広げられる、本筋とは関係ない二人の論争もすごいです。フィルポッツの教養の深さというか思想の幅広さというか、そういうものがうかがえます。ただその辺を面白がれないと、冗長な部分がきつく感じるかもしれません。 洞窟で見つかった死体。最初は行方不明だったジョンのものだと思われたが…という展開。メレディスがジョンの死体ではないと考え、そこからジョンの居所を探っていくところや、そこから真相に一つ一つ近づいて行く流れは、足で探る努力型の探偵小説を見ているようで面白かったです。 ただオチとしてはもう一歩かな、と感じました。そこにつながるなら、もうひとひねりしてほしかった思いもあります。ですが、それを踏まえたうえで、あえてそうしたのかとも思ったりもします。 メレディスとフォーブスだけではなく、フォーダム卿やジョンとのやりとりも面白く、言葉の格闘技の雰囲気を感じる作品でした。
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