商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/10/16 |
JAN | 9784062773591 |
- 書籍
- 文庫
無貌伝 双児の子ら
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無貌伝 双児の子ら
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
10年前の第40回メフィスト賞受賞作。 あまり比較するのは好きではないが、最近のに比べればこの頃はまだ新本格で面白かった。 まぁこの前後の受賞作が何だったのか覚えていないけど。 さすが西尾維新が絶句しただけある。 なのになぜか文庫版の続きが出な...
10年前の第40回メフィスト賞受賞作。 あまり比較するのは好きではないが、最近のに比べればこの頃はまだ新本格で面白かった。 まぁこの前後の受賞作が何だったのか覚えていないけど。 さすが西尾維新が絶句しただけある。 なのになぜか文庫版の続きが出ない。 これはとても悲しいことである。 THANATOSシリーズといいなんで文庫版の続き出さないん? 出してください……。
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成り行きで探偵助手となった少年・古村望が、三探偵の一人・秋津承一郎とともに事件に臨むという展開ですが、本書は特殊でユニークな設定が多く、単純な謎解きミステリーとは一味違った趣向です。 舞台は日本と似て非なる架空世界。「東京」ではなく「藤京」だったりと現実とは違う世界ですが、一番...
成り行きで探偵助手となった少年・古村望が、三探偵の一人・秋津承一郎とともに事件に臨むという展開ですが、本書は特殊でユニークな設定が多く、単純な謎解きミステリーとは一味違った趣向です。 舞台は日本と似て非なる架空世界。「東京」ではなく「藤京」だったりと現実とは違う世界ですが、一番の相違点は「ヒトデナシ」という存在です。 何かと何か2つの影響を受けてそれぞれが特殊な能力を持っているヒトデナシ、精霊のようなイメージをわたしは持ちました。 この存在が作品世界に独自のルールを与えており、事件にも深く関わって混迷をきたします。 シリーズの最大の敵であろう「無貌」は、魂と人間の影響を受けた人の顔を奪う恐ろしきヒトデナシ。顔を奪われるということがどういうことなのか明らかになるほど恐ろしく不気味です。 奇怪な雰囲気が素晴らしいですが、不可解な出来事で終わらず事件の伏線も丁寧でした。 また登場人物もユニーク。 無貌に対抗する探偵・秋津承一郎ですが、過去に無貌に打ち負かされてがら探偵としての活動を放棄しています。 無謀から予告が届いたり、不気味な事件が目の前で起きているのにやる気のない探偵の態度には古村や溝口警部と一緒にやきもきしました。 逆に事件にのめりこむのは助手の古村ですが、15歳の彼はその波乱に満ちたこれまでの人生のせいで斜に構えており、無謀で荒々しいです。 語り手の古村が自ら語る彼の半生は哀しく、それを乗り越えて「しぶとく生きる」と自身に言い聞かせる古村の独白は青臭くて痛々しい。 諦めて無気力になっている秋津と未熟でがむしゃらな古村の二人が、一つの事件に臨む姿も対照的で、それがお互いに影響を及ぼしていく人間ドラマも見ものでした。終盤は大いに盛り上がりを見せます。 陰鬱で悲惨ながら、シリーズの第一歩として決して後味が悪くないラスト。 続きが気になる物語です。
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現実のこの世界とは少し違う、架空の日本が舞台の、少し不思議な設定の小説です。 当たり前のように、「ヒトデナシ」と呼ばれるあやかしが出て来たり。 でも、その設定が存分に生かされた、きちんとした(?)本格ミステリでした。 秋津の過去や、望の成長等、今後の作品もとても楽しみです。
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