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京極為兼(053) 京極為兼 コレクション日本歌人選053
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京極為兼(053) 京極為兼 コレクション日本歌人選053

石澤一志【著】, 和歌文学会【監修】

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京極為兼(053) 京極為兼 コレクション日本歌人選053

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 笠間書院
発売年月日 2012/10/09
JAN 9784305706539

京極為兼(053)

¥1,320

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2020/01/24

京極為兼は藤原定家の曾孫で、伝統的な二条派の和歌に対して京極派を打ち立てた。見開き2ページで一首の解説を懇切丁寧にしている。全50首。全部読むと京極為兼の和歌のおおよそが分かるし、京極派とはどういうものかよく分かる。初めて京極派の和歌に触れる人は、一般に古典和歌というと思い浮かべ...

京極為兼は藤原定家の曾孫で、伝統的な二条派の和歌に対して京極派を打ち立てた。見開き2ページで一首の解説を懇切丁寧にしている。全50首。全部読むと京極為兼の和歌のおおよそが分かるし、京極派とはどういうものかよく分かる。初めて京極派の和歌に触れる人は、一般に古典和歌というと思い浮かべる古今集や新古今集の和歌とは、京極派が余りに趣が違うことに驚くことだろうと思う。いくつか為兼の和歌を挙げてみる。 ・枝にもる朝日の影の少なさに涼しさ深き竹の奥かな ・冴ゆる日の時雨の後の夕山に薄雪降りて雲ぞ晴れ行く ・とまるべき宿をば月にあくがれて明日の道行く夜半の旅人 ・波の上に映る夕日の影はあれど遠つ小島は色暮れにけり ・山風は垣ほの竹に吹き捨てて峰の松よりまた響くなり ・沈み果つる入日の際にあらわれぬ霞める山のなお奥の峰 ・降り晴るる庭の霰は片寄りて色なる雲に空ぞ暮れゆく 型通りの歌の趣旨や縁語・掛詞などを読み込んだ伝統的な和歌の範疇から離れ、自然・自分の心情などの対象に対して、自らの心の働きを重視した読みぶりであり、それは自ずと対象に対する細やかな凝視となる。時間的経過や視点の移動も多用され、叙景歌が多くなる。ただ、あくまでも詠む者の心の働きが大事なのだ。 京極派は鎌倉時代の後半に盛んになったが、京極為兼、伏見院から永福門院、花園院、光厳院と受け継がれていって途絶え、忘れられた存在となってしまう。しかし、こういった本が出るということは新たな評価の機運にあるといえるかもしれない。現代から見ても、新鮮な和歌群である。

Posted by ブクログ

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