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「文学講義」大人が読む「赤ずきん」 「文学を読む」と「本当の“大人"になる」をつなぐために
2,090円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 鳥影社ロゴス企画 |
発売年月日 | 2012/09/01 |
JAN | 9784862653697 |
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「文学講義」大人が読む「赤ずきん」
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「文学講義」大人が読む「赤ずきん」
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著者は学術書ではないと言っているが、赤ずきん研究についてまとまった基礎文献だ。様々な読みが可能なこと。様々な再話が試みられていることが描かれている。 また、はじめに、おわりにで文学を読むことと大人になることのつながり、関係を丁寧に説くことで、現代を生きる若者へのエールも送られて...
著者は学術書ではないと言っているが、赤ずきん研究についてまとまった基礎文献だ。様々な読みが可能なこと。様々な再話が試みられていることが描かれている。 また、はじめに、おわりにで文学を読むことと大人になることのつながり、関係を丁寧に説くことで、現代を生きる若者へのエールも送られている。 学術書でありと同時に教養書でもある。それが本書の類い希なる特徴である。 ・赤ずきんは私たちの現実からすれば、矛盾していて不思議に思われるところがたくさん。 ・魅了の要素:赤ずきんがよい子で、しかも誘惑に弱いからだ。そこに人間が描かれている。 ・ペローは赤いずきんをかぶせることで、虚栄心に駆られすぐに誘惑を招いてしまう、スポイルされた性格をもつ当時の宮廷やブルジョワジーの娘たちの一面を描いた。 ・ティークがかぶせた赤帽子が自由の象徴(ジャコバン党員)ならば、それはフランスからドイツの解放を意味している。 ・グリムには、政治的にだけでなく精神的にもないがしろにされているドイツやドイツ人の精神的価値を、童話集の刊行で誇示したい強い思いがあった。 ・ペロー:若い娘よ、男に気をつけろ。グリム:ドイツ民族よ、立て。 ・グリム童話集が大いに読まれたことは、19世紀前半というブルジョワ(市民)の時代が家庭の中に子ども立場を認め、その子ども部屋が熱心なグリム童話の受け入れ層を形成していた。 ・グリム童話は、初版刊行時の意図からずいぶんと離れ、女性や子どもにしつけを守らせる道徳本になり、その後、近代市民社会の保守的な父権主義の家庭を作るための格好の本として人びとに読まれた。 ・狩人=父親しか子どもを救う者はない、という解釈。 ・フロム:祖母、母、娘の3世代が主となり、男性対女性の葛藤を物語っている。男を憎む女の凱歌の物語であり、女の勝利で結ばれている。 ・森は、人が現実とは違う無意識とか心の内面に出会い、それに問いかけて真剣な対話を可能にしてくれる場所。 ・講義では、赤ずきんは生徒。迷わすオオカミは教師。森は大学。 ・挿絵本は時代の規範を押しつける陰謀さえも含まれていた。 ・もともと、正しい答えなどないのですから、悩む、迷う、というのは、必ずしも正しい答えを求めることではなく、答えなどない生き方に対して端的な答えに逃げないたくましさを養うこと。 ・「正解」「覚える」「役に立つ」=現代の効率社会への対抗が文学。
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