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高台にある家 中公文庫
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高台にある家 中公文庫

水村節子【著】

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高台にある家 中公文庫

880

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2012/09/21
JAN 9784122056916

高台にある家

¥880

商品レビュー

3.4

7件のお客様レビュー

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2021/08/04

 大正、昭和の時代色豊かな絵巻物風ものがたり、出生の謎を解くミステリー風、女の一生、結婚とは?  おおまかな内容はこのよう。作家水村美苗さんの母節子さんが小説を書いてしまった。しかも娘が書こうとした母の母、祖母の尋常一通りでない「女の一生」ものがたり。  むかしは案外こういう...

 大正、昭和の時代色豊かな絵巻物風ものがたり、出生の謎を解くミステリー風、女の一生、結婚とは?  おおまかな内容はこのよう。作家水村美苗さんの母節子さんが小説を書いてしまった。しかも娘が書こうとした母の母、祖母の尋常一通りでない「女の一生」ものがたり。  むかしは案外こういう立場の人(婚外で子供を産まねばならない)がたくさん居たのだろう。現代は未婚の母はむしろ翔んでいるといわれるが。  「高台にある家」は上昇志向の象徴。これも今では死語かもしれない。富と貧。現代格差が戻ってきたとはいえ、むかしはそれに加えて身分人格まで貶められ、もやもやした羨みは這い上がりたい力を生むと同時に、強烈な個性を加える。  年老いた母と若い父。たくさんの異父兄姉が登場して、アンバランスな崖下の家のような暮らし。そんななかで育った少女(語り手「私」)は上つ方を志向してもがき、目覚めていく。  文学性には欠けるが、大正昭和の絵巻物としてもおもしろく、また、横浜、神戸、大阪の風情がうまく描かれていてどこか懐かしい読み物であった。  田辺聖子さんも誉め(神戸大阪の暮らしが生き生きしているからか?)娘水村美苗さんの手直しも入っているという文章。

Posted by ブクログ

2021/01/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

昨年末位から、読んで、やっと読み終えた。 もう、昭和の時代も遠くなったのに、明治・大正時代の事が、描かれている。 そして、水森節子氏という母親が、70歳を過ぎて、書き留めた自伝小説であり、水森美苗氏が、少し手入れた作品。 出生の秘密、庶民の暮らし、そして ハイカラ、モボ・モガ、月給取り、置屋など、今、そんな言葉も知らない人の方が多いのでは・・・ 私は、母から、昔々の話も口伝えで、祖先の話を聞いていた。 この節子氏よりも母は、若いが、いろんな話をしてくれたので、この本の背景が、よくわかる。 そして、大阪、神戸など、私が、良く知っている場所が、背景と出て来る事で、親近感が深い。 この自伝で、出て来る節子氏は、私生児であったみたいだが、親戚は、エリートの会社勤めの人や人の面倒見の良い家族が多い。 そして、この時代は、家族・身内・家柄に結び付けた為に、養子にやったり、養女に貰ったりとして、血族関係を深めて行った時代である。 長男が、後継ぎで、財産など、全て長男が、遺産を受け継ぐにあたり、兄弟姉妹、そしてその家族迄の面倒をみる責任をも受け継ぐ。 だから、この本を読んでいて、親族関係の複雑さは、節子氏が、両親の離婚や私生児という事で、沢山の話を聞けなかったのだろうと、推測される。 高田郁氏の著書で、「あきない世傳 金と銀」だったか、商いをしてる長男に嫁ぎ、長男が亡くなると次男の嫁に・・・と、お店を存続していくために、そこの店の男兄弟の嫁に、なって行く・・・ これは、血族関係でなく、お家存続のためであるが、昭和の私の時代でさえ、自分の家の名を継いでもらうために、女の子ばかりの家は、養子に来てもらうのが、一般的な時代であった。 そして、男子たるもの、妻だけでなく、お妾さんがいるのが、金持ちのステータス(?)的な所があったのだろう。 伊東博文氏、田中角栄氏など、政治家や大手企業の社長など、この当時は、当たりまえであったのだろう。 女中が何人かいたり、書生さんがいたり、、、、したのもこの時代であり、成績が良くても進学できない学生などに、家の手伝いをさせて、学費や衣食の世話をして時代である。 私の小さい時は、父が商社マンであったが、女中さんが、2人居た。 置屋さんで、田舎に小さい弟妹などの多い家庭の姉が、身を置いて可哀相という事で、我が家に来てもらったと、当時言っていたのだが、・・・ 今は、お手伝いさんと、言わないといけないとも教えて貰った覚えがある。 しかし、我が家に 他人を使用するという事は、なかなか難しいと、私の母は、言っていた事を思い出す。 貴重品なども、いつの間にか無くなっていたり、買い物へ行かしたら、なかなか帰ってこないとか・・・頭を悩ますことも多かったようだ。 この節子氏は、手伝いへと身内の伯母の所へ行って、自分の娘のように扱って貰っていたのだから、躾も出来て、家事も出来るようになったのだから、言う事はない。 そして、娘時代嫌悪してたのに、やはり、母と一緒に過ごせたのは、良かったと、思いながらも、少し、最後が、尻切れた感じで終わっているように思えた。 遠い昔の話のように思えるが、私も母から聞いた話などが、かぶさるようで、楽しめた。

Posted by ブクログ

2019/02/13

あとがき? 水村美苗による「祖母と母と私」を読んで驚いた。文章教室に通って習って書いた作品だとは。 水村美苗「母の遺産 新聞小説」での人間関係が何とも分かりにくく、行きつ戻りつしながら読んだお陰なのか、或いは母・節子の描写が的確だったからなのか、この複雑に入り組んだ人間関係に余...

あとがき? 水村美苗による「祖母と母と私」を読んで驚いた。文章教室に通って習って書いた作品だとは。 水村美苗「母の遺産 新聞小説」での人間関係が何とも分かりにくく、行きつ戻りつしながら読んだお陰なのか、或いは母・節子の描写が的確だったからなのか、この複雑に入り組んだ人間関係に余り苦労することなく読み進むことができた。

Posted by ブクログ

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