商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | あすなろ書房 |
発売年月日 | 2012/09/06 |
JAN | 9784751527214 |
- 書籍
- 児童書
愛のうらおもて
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愛のうらおもて
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商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
松田哲夫編『中学生までに読んでおきたい日本文学5(愛のうらおもて)』(あすなろ書房) 2012.9発行 2023.5.11読了 ゆでたまご 筆者にとっての愛を具体的な事象で語っている。愛という固い言葉を切り開いて、一つの平面上に広げたようなエッセイである。本書の導入としての役...
松田哲夫編『中学生までに読んでおきたい日本文学5(愛のうらおもて)』(あすなろ書房) 2012.9発行 2023.5.11読了 ゆでたまご 筆者にとっての愛を具体的な事象で語っている。愛という固い言葉を切り開いて、一つの平面上に広げたようなエッセイである。本書の導入としての役割を果たしている。 親ごころ 子にかける言葉の表現から、その裏側にある心理を分析しようとするもの。さすが小説家とあって精緻な観察が行われている。 恋人の食卓 恋人とのロングランを望むなら、うどんやラーメンなどシンプルな旧知の食材を使った料理を二人で食べた方がよろしいと言う。着飾った恋は長続きしないということだろう。概ね同意だが、TikTok上でかつて流行していた「蛙化現象」なるものは、インスタントで即物的な恋には、うどんやラーメンは不要という含意があったのかもしれないと空想した。 手紙 ラブレターのコツは、相手のことを「溜息のような文体で――美しい溜息のように」書くことだそうだ。作者の作品はいくつか読んだことがあるが、確かに美しい溜息のようだった。 愛され方 独占的な愛情関係に警鐘を鳴らす文章。その最たる例は不倫だと思うが、不倫ほど燃え上がる恋もない。作者がいうほど恋情はクールなものではないと私は思うが。 恋愛論 恋愛は、常に一時の幻影であり、永遠の恋など嘘の骨頂であるが、だからといって、するなとは言えない性質のものだという。恋愛によって人が満たされることはないが、だからといって、恋愛なしに人生は成り立たない。めいめいがおのれの真実を探し続けるしかないのだそうだ。 嫉妬について 嫉妬心をうまく利用すれば、向上欲の刺激剤として作用する。他方、嫉妬心が外部に向かわずに内攻し、自分で自分を虐めて快感を覚えるような地点に向かうこともある。諸刃の剣といえようか。 恋愛について 皮肉な文章ではあるが、他人の恋愛の話ほど面白いものはないのも事実だろう。 愛する能力 恋愛は人間の理性をぶち壊してしまう破壊力がある。逆にいえば、人間の理性を壊さない恋愛はそもそも恋愛ではない、ということ。 血で染めたドレス 恋愛に入れ込むすぎることを警告する文章だが、そうはいっても入れ込んでしまうのが恋愛の厄介なところだろう。 啐啄 風俗の宣伝トラックが街中を走り回ったり、へそを出した女が当たり前に闊歩したりする世の中では、性の問題をはばかりのある話として避けるのではなく、オープンに話し合った方がむしろ良いのかもしれない。この点、幸田露伴は開明性があったのだろう。 恋の股裂き これは真理だと思う。恋愛に奥手な人ほど対象をどちらかに振りたがる。 満願 昭和13年に発表された作品。この頃の夫婦は、妊活以外の目的のためにセックスをしていたのだろうかとふと思った。 厩火事 生活と恋愛の一致こそが夫婦だと考えるならば、この結末をあまり悲観的にとらえる必要はないのではないか。夫は妻をしっかり愛していると考えてよさそうではないか。 とらわれない男と女の関係 これは完全に同意できる文章。 じいさんばあさん 森鷗外に恋愛のイメージを抱けない人は多いと思うが、意外と私生活で恋愛をしてきた人である。この文章の元ネタが史実なのかどうか分からないが、傑作のひとつに数えられるのではないだろうか。事実のみを淡々と描写しているだけなのに、老夫婦の心情がしみじみと感じられる。 鯉魚 ノーマークの作家だったが、可笑しみのある文章で以外に面白かった。 心中 文章がすばらしい。構成もいい。 日記 間もなく訪れる死に対して、人間はどのように振る舞るのかが分かる文章。 「自我の強い俺のような男には、信仰というものが持てない。だから、このような感動を行為の源泉として持ち続けて行かねば、生きて行けないことも、君にはわかるだろう。」 【収録作品】 ロボとピュー太/南伸坊 ゆでたまご/向田邦子 親ごころ/円地文子 恋人の食卓/杉浦日向子 手紙/森瑶子 愛され方/寺山修司 恋愛論/坂口安吾 嫉妬について/吉行淳之介 恋愛について/中野好夫 愛する能力/佐野洋子 血で染めたドレス/倉橋由美子 啐啄/幸田文 恋の股裂き/中島らも 満願/太宰治 厩火事/桂文楽 演 飯島友治 編 とらわれない男と女の関係/大庭みな子 じいさんばあさん/森鷗外 鯉魚/岡本かの子 心中/小泉八雲 著 上田和夫 訳 日記/宅嶋徳光 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/023896125
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図書館で借りた。借りた理由が思い出せない。そうだ杉浦さんが書いた部分を読むのが理由だった。愛についてのアンソロジー。何だか教科書ぽいのがよい。自分ではたどり着けない作品に導いてくれる。思えば学校での授業とはありがたいものだ。ただ読むだけでなく,いろいろに解説してくださったり,考え...
図書館で借りた。借りた理由が思い出せない。そうだ杉浦さんが書いた部分を読むのが理由だった。愛についてのアンソロジー。何だか教科書ぽいのがよい。自分ではたどり着けない作品に導いてくれる。思えば学校での授業とはありがたいものだ。ただ読むだけでなく,いろいろに解説してくださったり,考えるきっかけを与えてくれるのだから。適当に授業を受けていたので,本を読んで考える技術が身につかなかったなぁ。ただ音として読み,ただ情報として読むだけが多い。鑑賞する力,批評する力は世界を見る力だな。
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作家それぞれの愛についての考えを知ることができます。私は特に佐野洋子さんの『愛する能力』が好みでした!思わず声に出して読んじゃったり、、、 みっともないことをなりふりかまわずみっともなく出来る能力が愛する能力だと思う。(一部抜粋)
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