商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/07/09 |
JAN | 9784062177702 |
- 書籍
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架空列車
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架空列車
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商品レビュー
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終着は終着、これ以上なにかを求めて逃げることも戻ることもない。 主人公は家族も職も失って、東北の沿岸に逃げてきた男性。遺産と貯金をたよりに、ただ人生の期限だけを定めてその街に住み着いた。 絶望することにも退屈した彼が、暇つぶしに思いついたのは"架空の路線を走らせること"。どう路線図を引くべきか、駅間の運転には何分を要するか、ダイヤをどう組むか。彼自身が<架空列車>となって、来る日も来る日も自転車に乗って街を駆ける。 やがて彼は欲や執着が出てくる。なんの対価も得られない遊びへの白けた気持ちに蓋をするが、そんな日々を突如ぶち壊したのが、東日本大震災だった。 すでに何もかもを失った彼を同士とみなし接する<津波によって失った>人々を、彼は穏便に拒絶する。「本来なら持っていたはずのもの」への執着が喪失感を生み、疎外を生む。ならば、はじめから手放せばいい。 もう人生の実運行に戻ることはないと周囲と再び壁を作って、彼は架空列車に戻る。 震災で家族や財産を失った人へ、それも架空なんだよと心の内でささやく主人公。 <疎外感>によって気が狂うよりも、いっそ手放すほうが精神が健全でいられるのかもしれない。 でも、煩わしい人間関係を維持する努力をして、家族や仕事や財産を持って暮らす、そういう人々がいるから、社会は、暮らしは続いてゆくのだ。 そして彼はその恩恵にフリーライドしているに過ぎない。だからこそ、彼はいつまでも「架空列車」のままでいるしかないのだし、それを自覚しているから自ら<疎外>を選ぶんだろう、と思った。
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最後、自分は変わらず架空列車として走り続ける、とある。けれど道路整備や伝達をして小さなことだけど誰かの役に立てていたことに気づくことができない主人公だから、何か本人が気づかないうちに彼は変わっていくこともあるんじゃないかと、私には希望が持てる終わりでした。
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いや、架空なのはお前だけだよ。 って思った。 震災扱ってるけど、いろいろ失礼な気がした。 いや、そんなつもりはないのわかってるけど。
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