とんでもなく面白い『古事記』 PHP文庫

斎藤英喜【監修】

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2012/07/05
• JAN: 9784569678498

商品レビュー

2024/07/13

現代人目線で読むととっぴで理解し難いことが多いであろう古事記の内容を、突っ込みを入れつつ噛み砕いて解説されており、大変面白くわかりやすかった。

古事記の登場人物は長ったらしいカタカナで似たような名前も多く覚えるのに難儀するが、特徴を捉えたイラスト（ちょっと古いゲームのSDキャラっぽい）が添えられていたり、簡単に系図があるのもありがたい。
古事記原作は全三巻だが本書ではさらにエピソード毎に数ページに章分けしておりメリハリがつけられている。
読者の記憶に残りやすいような工夫がなされていると感じた。

イザナキが雷神に投げつけた桃の霊力や島流しの距離における罪の重さについてなど、ストーリーに関連する豆知識コラムも満載で勉強になった。

著者は佛教大学の教授とのこと、氏の授業を受けられた学生さんが羨ましい。

2020/11/16

下巻の仁徳天皇以降のエピソードもしっかり書かれている！入門書は神話ばっかりだから、下巻も面白いじゃん！と気付けたので良かった！

2020/03/22

古事記と日本書紀の関係性と違いすら知らないまま読み進むと、奇想天外な物語が織り成されている古代の読み物に興味を抱かせる。
略奪愛や近親相姦、残酷な勢力争いが凄い。どこまでが神話て何処からが事実なのかが曖昧なところが天皇家を神格化する技法なのだろうか。神格化するにしても人の常識を逸脱するエピソードが挿入された物語が天皇家を崇拝出来ないことにはなりはしないか、と疑問に感じる。
アマテラス、イザナギイザナミ、ヤマタノオロチ、スサノオ、海彦山彦、稲葉の白ウサギ、三種の神器なども登場する興味深い読み物に興味が湧き、古事記を読み解く同様の本を違う視点からも読みたくなった。
令和即位の儀で三種の神器を王位継承のため用いたとニュースで紹介していたが、ヤマタノオロチの体内から取り出しただの、壇ノ浦の戦いで消失したが浜ヘマに打ち上げられただのという逸品にも興味をそそられる。