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バイシクル・シティズン 「政治」を拒否する日本の主婦
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
発売年月日 | 2012/06/14 |
JAN | 9784326351626 |
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バイシクル・シティズン
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バイシクル・シティズン
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原著は1999年、調査は1991−93と1995年、と、もう20年ほど前の話なのだが、現状を考える上でもすごく納得できる分析だった。 生活クラブネットの選挙活動、女性たちのボランティアや日常的な人間関係、自民党から参議院議員に当選した小野清子の選挙活動をフィールドワークし、比較し...
原著は1999年、調査は1991−93と1995年、と、もう20年ほど前の話なのだが、現状を考える上でもすごく納得できる分析だった。 生活クラブネットの選挙活動、女性たちのボランティアや日常的な人間関係、自民党から参議院議員に当選した小野清子の選挙活動をフィールドワークし、比較している。 女性のボランティア(作業所の運営、生活クラブの執行部など)が、専業主婦によって担われているのだが、当事者も、企業や政治の場では問題とされないほんとうの「生活」について、専業主婦こそが熟知しているのだと考えている。著者は、彼女たちが体現する公共空間への参加を、そこで用いられる乗り物を例にあげて「自転車のシティズンシップ」とよび、男性や政治の場で用いられる「タクシーのシティズンシップ」と対比する。著者は、「自転車のシティズンシップ」が持つ、現状の政治に対する批判やその潜在的な可能性を高く評価する。しかし同時に、自転車のシティズンシップを持つ女性たちが、主婦アイデンティティを強調し、主婦としてのケア責任を果たすことによってはじめて、生活者として公的な役割を担えると考えるとき、従来的な意味での政治に参加することは事実上難しくなる。結果として、生活クラブのネットによる政治参加は、常に、生活クラブの日常的な活動と齟齬を来し、また女性たちは既存の政治に対する不信感を隠さない。また、主婦が担う公共的な活動は、タクシーのシティズンシップに対するオルタナティブではあるが、実際に女性が政治の世界で生き残るためには、主婦の視点を売りにしながら、「タクシー」の論理と取引することになる(それが、「普通の」女性たちの政治不信にもつながっている)。 著者は、巻町の原発反対運動についての著書もあるそうだが、最近の反原発運動と、その中での「母」の表象等についてどう考えているのかなとふと思った。 結論から引用 「主婦活動家は、主婦の倫理を彼女の倫理たらしめているジェンダーの抑圧的側面を放置することなく、その倫理を保つための方法を見いだすように迫っている。ともかくも、自転車市民は質の高い民主的営みのためにも必要だと言うことができる。なぜなら彼女たちは、他者への義務をかたちづくり、かつそれを満たすことの重要性を表象しているからだ。そうした義務感のない政治的関与は、利益の争奪戦にすぎないし、利益争いの世界においては、最も富裕で、最も良く組織され、最も力を持つ人々が勝利をおさめるものである。自転車市民の存在は、私欲に導かれた競争の結果を変えることはほとんどできなくても、それらを批判するためのモデルを提供しうる。そうしたモデルがなければ、比喩としての公的営みにおけるタクシーにのることができない人々、あるいは乗りそうにない人々は、説得力のある意思表示の手段をいったいどこにみいだすことができようか」(p.290)
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