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カングル・ワングルのぼうし 海外秀作絵本
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カングル・ワングルのぼうし 海外秀作絵本

エドワード・リア(著者), 新倉俊一(訳者), ヘレン・オクセンバリー(その他)

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カングル・ワングルのぼうし 海外秀作絵本

1,540

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ほるぷ出版
発売年月日 1975/10/25
JAN 9784593500093

カングル・ワングルのぼうし

¥1,540

商品レビュー

5

2件のお客様レビュー

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2011/06/27

絵がきれいだし、おもしろい。 短いし、一つの絵に対する文章量が少ないから、読み聞かせ初期段階に適しているだろう。

Posted by ブクログ

2009/10/14

 幼児期には素直に受け入れていたのに、大人になってからかえって疑問に思ってしまう、そういったものが誰の心にもあるのかもしれません。私にとっては、カングル・ワングルもその一つです。昔はカングル・ワングルという言葉の響きだけで、なんだか楽しくなっていましたが、成長してからは「カングル...

 幼児期には素直に受け入れていたのに、大人になってからかえって疑問に思ってしまう、そういったものが誰の心にもあるのかもしれません。私にとっては、カングル・ワングルもその一つです。昔はカングル・ワングルという言葉の響きだけで、なんだか楽しくなっていましたが、成長してからは「カングル」で「勘繰る」という字面を連想したりして、ずいぶんと可愛げのない女に出来上がってしまいました。  カングル・ワングルとは一体何者なのか。―― それは今、この作品を読んでみてもよく分かりません。けれども、見えている所から推し量ってみるに、一応人間であることは確かなようです。  見えている所、というのには訳があります。カングル・ワングルは巨大な帽子をかぶっている為に、読者には、彼の顔は全く見えないのです。カングル・ワングル自身が「ぼく」と言っていることと、着ているカーディガンが少しオジサンぽいのとで、男の人なのかな?と思うだけ。見た目はまるで、御伽草子の鉢かづき姫のようです。そして、鉢かづき姫のかぶっている鉢は極めてシンプルなデザインですが、カングル・ワングルの帽子は色とりどりのリボンや鈴、ボタンやレースで彩られているのも特徴の一つなのです。  カングル・ワングルが座っているクランペティと呼ばれる木は、その葉がお菓子になっていて、文章だけでなく、挿絵でもその美味しそうな感じが伝わってきます。特に見返し部分に描かれた大量の葉っぱは、厚みを持たせて描かれているので、ふっくらと上手に焼けた、パフパフのパンケーキにも見えますし、分厚く型抜きしたクッキー生地がむっくりと焼き上がっているようにも見えるのです。そんなクランペティの木に終日座って、カングル・ワングルは孤独をもてあましています。  ところが、カングル・ワングルの大きすぎる帽子が目印になったのでしょうか。様々な動物達がクランペティの木を目指してやってくる様になります。読者である子供達にとっては、見たこともない動物達のオンパレードなので、非常に面白いところです。  クランペティの木を目指してやってきた面々は…、 カナリヤ、コウノトリ、あひる、フクロウ、ハチ、カタツムリ、かえる…。 この辺りまでなら見たことや聞いたことのある動物ですが…、 コルク抜きのような螺旋形の足をしたフラフラドリ、金ぴかのライチョウ、足ゆびのないポブル、ギリシャ生まれのこぐま、きらきらおはなのドング、フルートを吹く青ひひに、トルコから来たこうし、はったりネズミや、びっくりこうもりと続きます。まるで、ファンタジックな詩の様に。  微笑ましいのは、ギリシャ生まれのこぐまの挿絵が、いかにもギリシャ出身らしく少し哲学的な澄ました表情をしていたり、トルコから来たこうしがオリエンタルな衣装を身に付けていたりするところです。エドワード・リアの文章を受けて描かれるヘレン・オクセンバリーの挿絵が、この作品のちょっぴりナンセンスで、しかし詩的感覚に満ちた世界観を十二分に表していて、絵本とは文章のみ、あるいは挿絵のみ突出していても駄目で、相互補完的に仕上がっていくべきものなんだなということを気付かせてくれます。  集まってきた動物達は、それぞれ、カングル・ワングルの帽子のリボンの輪の部分やら、結び目の上やら、鈴の中やら、気に入ったところに陣取って一緒に仲良く暮らし始めました。夜には、青ひひの演奏するフルートで楽しく踊り続けます。  これからはクランペティのお菓子の葉っぱも、皆で食べたりなどして、その美味しさを分かち合えるのではないでしょうか。  ヘレン・オクセンバリーの挿絵はペンによる細い描線に、色鉛筆で彩色しているように思われます。非常に鮮やかな配色で、いかにも洋風の絵本といった外見ですが、よくよく観察してみると、日本の古い時代の装飾画や仏画に用いられる繧繝彩色(うんげんさいしき)の手法にも通じるところがあります。濃淡の差がある色を三色以上、段階的に塗り分けていく手法です。もしかしたら、エミリオ・プッチ風という方もいらっしゃることと思います。視覚を刺激する鮮やかな色合いは、子供達にとって、とても楽しいものになるでしょう。  この物語を書いたエドワード・リアは一八一二年に生まれた人物。絵本の奥付を読んでみると、兄弟姉妹の数がすごくて、なんと二十一人です! 子供の頃から病弱であった為に、詩や作画に情熱を傾ける内向的な性格になったといわれています。この『カングル・ワングルのぼうし』に数多くの動物が登場するのは、大勢の兄弟姉妹の中で育ったエドワード・リアの生活体験が元になっているとも考えられますね。 所有分は1980年8月10日発行第7刷。

Posted by ブクログ

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