商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2012/05/18 |
JAN | 9784062176767 |
- 書籍
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われらの再生の日
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われらの再生の日
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
★希望のかけらがあるかぎり野心を持って突きすすめ 阿部牧郎といっても、ご本人には大変失礼ながら、ほとんどの方がご存知ないかもしれませんが、彼はれっきとした直木三十五賞作家で、すでに50年近く書き続けていて、著作もおそらくゆうに300冊を下らないのではないかと思います。 しかも...
★希望のかけらがあるかぎり野心を持って突きすすめ 阿部牧郎といっても、ご本人には大変失礼ながら、ほとんどの方がご存知ないかもしれませんが、彼はれっきとした直木三十五賞作家で、すでに50年近く書き続けていて、著作もおそらくゆうに300冊を下らないのではないかと思います。 しかも彼は1987年に54歳のとき『それぞれの終楽章』で直木賞を受賞する前から、どっさりいやらしい官能小説を書いていたという、札付きの悪じゃなくて色欲に応える大衆作家だったことは、功成り名遂げてからわが「ヰタ・セクスアリス」を書く森鴎外ほかはまだしも、直木三十五賞受賞後に『愛妻日記』や『なぎさの媚薬』を書く重松清や『sex』を書く石田衣良とは、どだい覚悟も器量も違うのかもしれません。 この本は、矢部三郎という物書きで60代後半の男が主人公で、取材に飛びこんだ先にいたのがセクシー・キャバクラの女ゆりあ。矢部は年甲斐もなく彼女に惚れ込んでしまい、外に連れ出して身もこころもドップリと深い関係になっていく。 同じくして、パソコンのイロハを手とり足取り教わった矢部は、今の時代の最先端に生きる喜びを得て、活き活きとしてブログや電子書籍にもチャレンジするようになる。 しかし、いつのまにか行方をくらましたゆりあを探して、矢部は思い切った動きに出る・・・。 生きるとは何か、出会いとは・・・、人間に老いも若いも関係なく、輝くための生の熱情はすばらしいのだ、なんてふうな感じです。 清純派の私がどうして彼を知ったかというと、たまたま昔よく行っていた内科のお医者様の待合室の奥に、秘密のようにカーテンがかけられてどっさりと小説本の棚が鎮座ましましていたのですが、その中にズラッと彼の本があったのです。小学生でもその手の本は前から目にしたことがありましたが、どれも文章もひどくて失格でしたが、阿部牧郎は違いました。直木賞候補に7回、ということは7回落選したということですが、文学的すぎるとか小説がうますぎて損をしていると評されたように、私にも、エッチだけれどこれは文学だと思えたのでした。 それ以外にも、彼はすぐれた野球小説・評伝小説も数多く書いています。
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阿部牧郎ってたしか直木賞作家。 高齢の作家の再生法なんとセクキャバ通い!。 そこで出会ったゆりあとその弟との奇妙なつながり。 電子書籍化にも挑戦する。
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文学界最大のお祭りといえば、直木賞と芥川賞だがこれらの賞を受賞したからといって一般的に知名度が跳ね上がるとは限らない。インタビューの発言で話題となった作家の名前を覚えているだろうか?正解は田中慎弥。ちなみにもう一人の受賞者は円城塔。私も何年後かには忘れていそうだ。 本書の著...
文学界最大のお祭りといえば、直木賞と芥川賞だがこれらの賞を受賞したからといって一般的に知名度が跳ね上がるとは限らない。インタビューの発言で話題となった作家の名前を覚えているだろうか?正解は田中慎弥。ちなみにもう一人の受賞者は円城塔。私も何年後かには忘れていそうだ。 本書の著者は1988年に「それぞれの終楽章」で直木賞を受賞した阿部牧郎。1933年生まれの作家で、官能小説、戦記小説、時代小説と幅広い分野で筆を振るっている。恥ずかしながら私は著者のことを知らなかったが、一般的に知名度はどうなんだろうか?著者の場合本が安定的に売れているが、芸能人のように一発屋もある時代。続けていくのってなんでも難しい。 ほんの冷やかしのはずだった……。60代後半の物書き・矢部三郎は取材にと飛び込んだセクシー・キャバクラの女・ゆりあに入れ込み、店外につれだして心身ともに関係を深めていく。同時にパソコンの手ほどきを受けた矢部は、時代の流れに乗る楽しさを知り、ブログや電子書籍にも挑戦しはじめる。だが、やがて姿を消したゆりあを追って、矢部はさらなる行動を起こす――。生きる意味の転換を問いかける長編小説。 著者の公式ホームページに本書についてこのようなコメントがある この世にセクキャバなどというものがあるのを初めて知った。遅まきながら開始したパソコン修行と並行して、若者への理解が深まり、ひと通り現代が活写できたと満足している。 上記のコメントからもわかるように、本書の主人公矢部は著者自身がかなり投影されている。「絶望の国の幸福な若者たち」の著者、古市憲寿は本の中で大人が若者のことをよく「今どきの若い者は~」という理由を述べている。年をとるにつれて大人は若い人の考え方や行いについて理解できなくなる。それは多くの人にとって避けられない事実であり、時代遅れになることでもある。その現実を否定したいがために、自己を肯定し、若い人を否定する。 著者はそのような大人と違って、若者を知ろうとし、学んだことを「小説」という形でアウトプットしている。主人公の矢部と同じく再生をしている。セクキャバは別に知る必要はなかったと思うが、尊敬できる人物だ。 またセクキャバで働いていたゆりあも少しずつ、でも確実に自分を変えようとする。再生は人にしてもらうものではなく、自分からするものだとこの本を読んで感じた。能動的に行うことで初めて人は変わる。もちろんその変化が良い方向に進むとは限らないけれど…
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