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図説 チベット密教

田中公明【著】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 春秋社
発売年月日 2012/05/09
JAN 9784393112564

図説 チベット密教

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2019/04/14

非常に詳しく体系だってまとめられている。 ○○派では経典をこの分類、とかこういう儀式はこうする、とか専門家向け。 その中で面白かった部分を抜粋。 チベット民族は元々一妻多夫制。限られた生産力の中で人口や世帯数の増加を抑制する民族の叡智。巨大な寺院と過大な出家僧の存在は人口抑...

非常に詳しく体系だってまとめられている。 ○○派では経典をこの分類、とかこういう儀式はこうする、とか専門家向け。 その中で面白かった部分を抜粋。 チベット民族は元々一妻多夫制。限られた生産力の中で人口や世帯数の増加を抑制する民族の叡智。巨大な寺院と過大な出家僧の存在は人口抑制に効果的であった。 日本へは8〜9世紀の密教が伝わったため、それ以降13世紀までのインドの密教は日本には伝わっていない。 チベットはこの後期密教を受け継いでいる。 8世紀頃には、在家密教という出家しない僧も増えてきた。煩悩を是認し菩提心に転嫁させることを説く『金剛頂経』系の密教では禁欲的な出家僧となる必要は(少なくとも理論的には)なかった。 後期密教には性的な儀礼や敵対者を呪殺する好意が含まれていたが、出家者がこれをすることは戒律の毀犯となった。 そこで出家教団が後期密教の聖典を受容する場合、その反社会的な部分を、通常の言語では表現できない悟りの境地を示した比喩あるいは隠語として置き換える解釈学が出た。 後期密教を代表する秘密集会タントラ。由来は女陰で説いたと言われている。この経典の性的表現やスカトロジーが当時極めて異常であり大きな衝撃を与えた。 最大派閥のゲルク派(ダライ・ラマもここ)は、顕教を修めないうちは密教の実践を許さず、戒律を厳しく守り、出家を基本とする厳格な宗派。 タントラの実践のうち、誤解されがちな性交を伴う箇所について。 密教の秘密の部分を受ける資格を与える儀式が灌頂(かんじょう)という。 まず受者が阿闍梨(あじゃり。上位の僧)に妙齢の女性を献ずる。実際に女性を用いる場合と瞑想の中の女性を用いる場合がある。 阿闍梨は彼女と交わり、金剛杵(男性器)の中に蓄えられていた菩提心(精液)を取り出し、弟子の口中に投入する。男性の精液と女性の経血の混合物(紅白二滴)を用いる背えつもある。このような儀礼は当時から見ても猥雑極まりないものであったため、受者には覆面をさせて何をしているかわからないようにする場合も会った。 その後、受者が女性と交わる。その際精液の放出を極力抑制し、菩提心の上昇と下降により四歓喜を体験しなければならない。阿闍梨は弟子が四歓喜のどの段階に達したかを判断し、正しく指導することが求められる。 射精後は紅白二滴を服用する。 現代のチベット密教では、実際の女性が用いられることはなく紅白二滴も着色されたヨーグルトなどで代用されるが、インド領ラダックでは、鳥葬された先代活仏の髑髏の盃(カパーラ)で本物を飲むこともある。 その先の灌頂では、言葉のみにより特別な教示を受ける。性的実践は一種の手段とみなされ、心理の命題はこの灌頂によってこの密教滴実践の及ばない遥か彼方に定時される。 このように世間の道徳と著しく乖離したオーギイを体験させたあと、それも究極の真理ではないことを教える。

Posted by ブクログ

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