商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 1975/06/25 |
JAN | 9784167137021 |
- 書籍
- 文庫
夕陽ヵ丘三号館(下)
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夕陽ヵ丘三号館(下)
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さまざまな人間が、同じ規格の建物の中に住んでいる…それが団地だ。この現代的な風景のなかで滑稽で愚かしい女たちのもつれあいが演じられる。人間を非人間的にするのは建物ではなく人間自身ではないのか。女の妄想を描くことで定評のある著者が、サラリーマン家庭の人間模様を織り出した。 下巻...
さまざまな人間が、同じ規格の建物の中に住んでいる…それが団地だ。この現代的な風景のなかで滑稽で愚かしい女たちのもつれあいが演じられる。人間を非人間的にするのは建物ではなく人間自身ではないのか。女の妄想を描くことで定評のある著者が、サラリーマン家庭の人間模様を織り出した。 下巻でも相変わらず音子さんの妄想がすごかった。下巻では、大阪時代に仲が良かった山野一家が赴任してきて、新しい社宅へ入った。まぁ、ここが海外支社から戻ってきた奥様たちが入っている社宅で、まぁ子供たちもバイリンガル。そんなところに山野一家が現れ、音子さんが「まぁ、お久しぶりね」って声がかければすんだことなのに、「私に一番に挨拶がないのはおかしい」って怒り出して話がこじれる。 その音子さんと山野夫人の喧嘩(一方的に音子さんが怒っているだけだけど)を面白がる社宅の奥さま方。まぁ、この喧嘩に巻き込まれた森夫人も可哀想だった。 それと同時に我が子の成績が一学期よりも下がってしまい、さらに「高校へ進学しない」と言い出して、さらに音子さんの混乱と妄想にエンジンがかかる。そして、思春期の男子にありがちな卑猥な雑誌類が見つかって、妄想に拍車がかかる。 もう旦那さんも言わなかったけど、暇を持て余しているからこんなことになるんだよなぁ。 中学一年生の男子なんて、頭の中はエロいことしかないようにかんじるけど、勉強もまだ一年生なんだから挽回もできようものなのに、音子さんはもうヒステリーになってしまう。 音子さん、終始「私は息子に関しては放任主義ですの。過保護にならないように」って言ってるけど、かなり過保護だよね?ってなった。子供が心配なのは分かる。思春期で口もきいてくれない息子、仕事で夜も遅い夫で可哀想なところがあるけど、少し外の世界を見てきてたほうがいいと思う。 この時代の奥さま方は、奥さまが働いているというのは、夫の甲斐性がなく恥って考え方だったのか。だったら、少しお稽古事やお料理教室などに通って、社宅の世界から出たほうがいいと思うけどなぁ。 2023.2.5 読了
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