商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 評論社 |
発売年月日 | 2012/03/19 |
JAN | 9784566013841 |
- 書籍
- 児童書
ビッケのとっておき大作戦
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ビッケのとっておき大作戦
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
族長のハルバル、ハルバルの息子のビッケ、詩人のウルメ、舵取りのスノーレ、腕相撲チャンピオンのゴルム、文句屋のチューレ。 ビッケとフラーケバイキングのシリーズ最終6冊目。 今までの5冊発表から少し時間が経っているということでビッケもすこしお兄さんになっている感じ。お父さんのハルバル...
族長のハルバル、ハルバルの息子のビッケ、詩人のウルメ、舵取りのスノーレ、腕相撲チャンピオンのゴルム、文句屋のチューレ。 ビッケとフラーケバイキングのシリーズ最終6冊目。 今までの5冊発表から少し時間が経っているということでビッケもすこしお兄さんになっている感じ。お父さんのハルバルも略奪より交易重視となり、若手バイキングが略奪させろーとか言っているのをえたりしています。 作者の社会に対するメッセージもかなり強く直接的になっています。 *** バイキングたちは遠征先を競い合っています。 ある地方のバイキングが地中海のマジョルカ島に行けば、他の地方のバイキングはアフリカ身紫海岸のカナリア諸島を目指します。パリに遠征したバイキングがいれば、競うようにローマを目指すバイキング、国会に行ったバイイング、ペルシャ湾を目指すバイキングもいます。 族長ハルバルに率いられるフラーケバイキングは、南の国を目指して船を出します。 途中で錨を止めた港街で交易をしようとしたフラーケバイキングたちですが、その町は3人の王様と3人の大臣により牛耳られ、裕福な町の人々と、貧しい町の人々との差がくっきりと分かれていたのです。 ビッケの「貧しい人から物を取り上げて裕福に暮らしている人たちがいたら懲らしめてやることも必要だよ」という言葉に、フラーケバイキングは悪い王や大臣達を倒します。 もう国王に従い物を奪われたり、ゴミのような残り物を食べたりしなくてよいと分かった町の人々は、「最高理事会」を作って、自分たちのことは自分たちで決めてゆくようにします。 フラーケバイキングたちは、最高理事会の代表に名乗り出た5人のメンバーに一抹の不安を残しながらも町を後にします。 航海と交易を続けたフラーケバイキングたちは、故郷に帰る途中にあの町に立ち寄ることにしたのです。 そしてびっくりしました。なんと町は最高理事会代表者たちが牛耳り、反対する町の人々は殺さることもあったのです。 大切なことは町の人たちに自由を教えることだ、とビッケ達は再度町のために戦います。 ビッケの知恵で最高理事会代表者たちを懲らしめたフラーケバイキングは、町がさらによい憲法と議会を作ることを提案します。 今度の議員は選挙により選ばれ、任期も決まってます。 フラーケバイキング族長のハルバルはハッとします。族長には任期があり、選挙で決めるんだったら、長年フラーケバイキング族長をあっている自分はもう引退しなければいけないのか?! …まあそれも良いかもしれない。息子のビッケは戦いは弱いが優しく賢しい、そろそろ故郷にいる怖いけれど優しく正しい奥さんのイルバさんと一緒に畑を耕して暮らすことにする時期かもしれない。 今度こそ故郷に帰ろうとするフラーケバイキングの前に立ち塞がったのは、どうもな海賊フリース人でした。 族長のむっつりスベンは、先代で父親のスベンがフラーケバイキングにしてやられてから、彼らには恨みを持っています。 しかし今回もビッケの知恵でぶらーけバイキングたちはフリース人から姿をくらませて見事に逃げおおせました。 目の前にいたはずのフラーケバイキングが消えたことに、むっつりスベンは「これは神の啓示だ。もうこれからは悪事は辞めて、人間らしく誰からも好かれるように生きて行こう」とします。 …ですがそううまく行ったのは4年間だけだったのです。 ある時フリース人の国を訪れたフラーケ人が酔っぱらって「あの時フラーケバイキングが海から消えたのは、ビッケの知恵を使ったんだよ」と種明かしをして嘲笑ったのです。 真相を知ったむっつりスベンは怒り心頭!「境界を燃やせ!海賊気を掲げよ!フラーケバイキングに復讐せよ!」この日からフリース人は以前の残虐な海賊に戻ってしまったのです。 「思慮のない人の不用意な言葉は この世に災難をもたらす くだらないおしゃべりは 悲しみと困惑、不満と涙をもたらす元」 *** 前の5冊までと時間が空いたせいかかなりシビアな話になっている感じです。 今までの本では「悪い人たちは改心しました」という終わり方だったのに、最後の最後で「また悪い人に戻りました」で終わるとはちょっとびっくりした。 「専制君主をやめたときに民主的な統治が行われる」などと、作者のメッセージがかなり直接的に。
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未翻訳だった6巻目が復刊にあたり追加になったとのこと。 なんとなく説教くさいかんじで、最初のころの陽気で痛快な感じが少なくなった気がしました。 船を沈めるというアイディアはさすがビッケ!という感じで面白いのですが、らしさがあったのはそこだけだった感じ これが最終巻のようなので、にぎやかに終わってほしかったなぁと思いました。
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ビッケ・シリーズもついにこれで完結。 今回は、たまたま訪れた町を、義憤にかられたビッケたちが悪政から救い出すというお話です。 おそらく、作者にはもっと人間の文化とか歴史とかいうものを描きたい気持ちがあったのでしょうね。人民が悪政から解放されても、次の支配者がまた同じことを繰り返してしまうという歴史のパラドックスが、ここでは再現されています。 もちろん二度に渡る悪政から、ビッケたちは連続してその国を救うのですが、ビッケたちは正直ただの狂言回しのような役割しか負わされていません。この作品は、人間の営みとその歴史について描かれた寓話です。 終盤になってくると、ビッケたちもだんだん歴史に呑み込まれていくような描写になっています。 その上、最後にその後の歴史を紡いでいくのは、なんとフラーケのバイキングではなく、あの凶悪なフリース人たちなのです。 ビッケシリーズは文句なしの面白さでしたが、5巻と6巻あたりになると、キャラクター小説というよりも歴史絵巻みたいな感じでしたね。
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