商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2012/03/23 |
JAN | 9784130830584 |
- 書籍
- 書籍
小説的思考のススメ
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
小説的思考のススメ
¥2,420
在庫あり
商品レビュー
3.9
13件のお客様レビュー
特に純文学の読み方の批評では触れにくい当たり前のことを中心に楽しみ方を解説した本。欠点は全部の対象作品がそうではないのだが、結末までふれていることがあり、紹介された本を読む楽しみが半減しているところもあるという点。自分は得ることが多かったが、ほかの人はどうかは微妙ではある。
Posted by
小説的思考というものが何かはよくわからないままだが、文学を読むということにはこのような視点もあるのだということを初めて学んだ。 表現や言葉の選択、助詞の使い方、文の組み立てなど、ストーリー以外の細かな部分について、こんな読み方をしたら面白いですよ、といったことを教えてくれる。 ...
小説的思考というものが何かはよくわからないままだが、文学を読むということにはこのような視点もあるのだということを初めて学んだ。 表現や言葉の選択、助詞の使い方、文の組み立てなど、ストーリー以外の細かな部分について、こんな読み方をしたら面白いですよ、といったことを教えてくれる。 作家の人たちはこんなことまで意識しながら文章を書いているのだとしたら、本当に天才だと思う。
Posted by
太宰治の『斜陽』に始まり、吉本ばななの『キッチン』を経て、小島信夫の『抱擁家族』にいたるまで、幅広い小説の読み方のルールを見つける思考法を小説的思考として分析している。 「一字一句を見る」とか「はとがの違いに注目する」とか一つ一つはどこかできいたことがあるように見えて、分析の結...
太宰治の『斜陽』に始まり、吉本ばななの『キッチン』を経て、小島信夫の『抱擁家族』にいたるまで、幅広い小説の読み方のルールを見つける思考法を小説的思考として分析している。 「一字一句を見る」とか「はとがの違いに注目する」とか一つ一つはどこかできいたことがあるように見えて、分析の結果は、なるほどねぇと思わせる。自分であらためて小説を読みたくさせるような視点を提供してくれる。 肝心の題名にある「小説的思考」というのがどのような思考かといえば「ある小説の読み方のルールを見つけるように考える」ということのようだ。大前提が「小説とは本来、読めないものなのです」というもの。 ・嘘の情報と付き合わなければならない。際どい嘘を上手に語るために小説の言葉は洗練されてきた ・嘘と人間の濃密関係が解放される場が小説 ・書き手から見ると(その代表としての大江健三郎に言わせれば)それを可能にするのが小説という形式独特の、頭の働き方。「破綻そのものとして構想を実らせる」力が「小説的思考力」・・・作家の意識的な統合力の埒外にあるもの ・これに呼応する読者の側に必要とされる「力」。これが小説体験を助ける ・この「力」は、読み方のルールをどう見つけていくか、そのやり方のこと。・・・さまざまな嘘をどのように扱うか、どう反応するか。読みにくさによらず「気になる部分」を読むこと(「小説には読み方がある」というのはこのこと) ・最終目標は読者が自分で体験すること タイプの異なる小説の文章に(かなり)寄り添った読み方の例のバラエティとしてとらえると良い。 「一字一句」を読む。太宰治『斜陽』、夏目漱石『明暗』、辻原登『家族写真』 「女の言葉」に耳をすます。よしもとばばな『キッチン』、絲山秋子『袋小路の男』、吉田修『悪人』 「私」の裏を見る。志賀直哉「流行感冒』、佐伯一麦『行人塚』 「小説」がわかるということ。大江健三郎『美しいアナベル・リイ』、古井由吉『妻隠』、小島信夫『抱擁家族』 人生の楽しみを広げてくれた一冊。
Posted by