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黒澤明という時代 文春文庫
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黒澤明という時代 文春文庫

小林信彦【著】

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黒澤明という時代 文春文庫

660

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2012/03/09
JAN 9784167256296

黒澤明という時代

¥660

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2012/04/01

すでに伝説の域にある黒澤作品について書くことはとても困難な作業だと思うが、本作は黒澤映画全作品とその時代を俯瞰的にとらえた好著である。エンターテインメント批評家として鋭い観察力を持ち、少年期から黒澤作品にリアルタイムで触れてきた著者だからこそできた一冊だろう。限られた紙面のせいか...

すでに伝説の域にある黒澤作品について書くことはとても困難な作業だと思うが、本作は黒澤映画全作品とその時代を俯瞰的にとらえた好著である。エンターテインメント批評家として鋭い観察力を持ち、少年期から黒澤作品にリアルタイムで触れてきた著者だからこそできた一冊だろう。限られた紙面のせいか、もしくは著者にそれほど強い意図がなかったせいか、惜しむらくは「時代」の部分が膨らまなかった点。

Posted by ブクログ

2012/04/01

ボクは50を過ぎたオヤジで、父は昭和ヒトケタ世代、つまり今や80歳。中学生の頃、その父にクロサワの映画だからと「七人の侍」や「天国と地獄」の再映に連れて行かれた覚えがある。父が中学生の息子を見せてやろうと思うほどの巨匠に既になっていた。が、新作は暫くお目に掛っていない頃だったと思...

ボクは50を過ぎたオヤジで、父は昭和ヒトケタ世代、つまり今や80歳。中学生の頃、その父にクロサワの映画だからと「七人の侍」や「天国と地獄」の再映に連れて行かれた覚えがある。父が中学生の息子を見せてやろうと思うほどの巨匠に既になっていた。が、新作は暫くお目に掛っていない頃だったと思う。その後、「影武者」「夢」「まあだかい」は公開時に見ている。「用心棒」「椿三十郎」はテレビで見ているが、その他の作品はちゃんとは見ていない。老後はちゃんとクロサワ映画を見て、漱石を読み耽ろうとボンヤリ思っている。 さて、小林信彦さんのクロサワ論。見巧者の著者が言うべきポイントのみに絞った論考である。本当、言い出したら幾らでも書き連ねられるが、詳しくはこの人のこの本に当たれと、本人の著作を含め、引用は最小限。 この的を得た文章に惹かれる。例えば、「醜聞」についての一文。 ~蛭田の方はダメ弁護士で「俺は蛭のような人間だが、娘は天使だ」などとボヤく。なにしろ、オフィスの柱に娘の写真が貼ってあり、その娘を演じるのが桂木洋子だから、文句を言えない。~ この映画も見てないし、桂木恵子さんも判らないが、そうか文句を言えないのかと納得してしまった。 原節子のエキセントリックさといわれ、ちょっと意外。小津の映画をチョッとテレビで見た程度の印象しかなく、育ちの良いお嬢さんっぽい女優さんとしか思っていなかった。 影武者には勝新一の実兄、若山富三郎にも信玄の弟役で出演依頼があったそうであるが、勝新が絶対トラブルを起こすからと逃げたそうである。この話には絶句した。勝新で影武者が撮れたら、勝新自身も黒澤監督も随分その後の評価も変わったろうと思う。観客にとっても不幸だった。仲代さんは凄い役者だと思うが、確かに立派過ぎる。コソ泥の影武者の怖れや悲哀が感じられなかったし、勝新ならコメディーっぽさが出たかもと思う。 「乱」もまた仲代さんか、と食指が動かなかった。三船敏郎が自分のプロダクションの経営があり、動けなかったと裏の経緯が開かされている。 2作とも映像的に出来過ぎていて、静的と評価されている。キャスティングが違ったら、また変わっていたのでは思うのだが、どうだろう。 黒澤が名助監督と評価する野村芳太郎が橋本忍に「黒澤さんにとって橋本忍は会ってはいけない男だったんです。」と言ったという。云わんとすることは、「羅生門」が無かったら、という突き詰めてきた問いかけ。正直、よく判らない。映像テクニックだけで良いのだろうか。 山本周五郎にだいぶご執心だったが、山本周五郎と黒澤監督の資質は随分違うらしい(周五郎は未読)。椿三十郎の面白さは原作から思いっきりズレたことだろう。やりたいことと、得意なことは違うと云うことか。でも、「どら平太」「雨あがる」を黒澤監督で見たかった。 自身が丈夫で、老いを表現できなかった人というのは、そうかもしれない。「赤ひげ」で引退していても、つまり僕が父に連れられてテアトル東京で「七人の侍」を見た頃引退していても、なんの不思議もなかったと思う。 十分判ったと云い難いが、面白かった。小林信彦さんの文章の切れ味を堪能できた。

Posted by ブクログ

2012/03/27

黒澤明の作品をデビュー作からリアルタイムで見ているという小林信彦の黒澤明論である。封切当時の経験を基にした個々の作品論は、明確で、今後の鑑賞の良い手引きになりそうだ。しかし、全体的な印象として、何故新たに黒澤論を書こうとしたのか、何か新しいことを言っているのか、こちらの読解力が低...

黒澤明の作品をデビュー作からリアルタイムで見ているという小林信彦の黒澤明論である。封切当時の経験を基にした個々の作品論は、明確で、今後の鑑賞の良い手引きになりそうだ。しかし、全体的な印象として、何故新たに黒澤論を書こうとしたのか、何か新しいことを言っているのか、こちらの読解力が低いのか理解できなかった。黒澤明については、気が済んだと思うので、ご贔屓のクリント・イーストウッドについて書いて欲しい。

Posted by ブクログ

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