商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 名古屋大学出版会 |
発売年月日 | 2012/02/08 |
JAN | 9784815806927 |
- 書籍
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近世米市場の形成と展開
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近世米市場の形成と展開
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経済学博士による、日本の近世米市場に関する研究書。市場に関わる商人、大名家、奉行所や幕府の役人の活動を詳細に調べ上げている。米市場に関する数多くの既研究を基に、まとめられた集大成の大作といえる。本書は研究論文であり極めて学術的。使用するデータ、効率性検証モデル、参考文献に関する記...
経済学博士による、日本の近世米市場に関する研究書。市場に関わる商人、大名家、奉行所や幕府の役人の活動を詳細に調べ上げている。米市場に関する数多くの既研究を基に、まとめられた集大成の大作といえる。本書は研究論文であり極めて学術的。使用するデータ、効率性検証モデル、参考文献に関する記述はとても詳しく、例えば基本となる米価についての説明は、研究者にとっては貴重であるかもしれないが、素人である私にとって、詳細な記述は不要であった。いずれにしても、さすがは日経・経済図書文化賞を受賞するだけの作品であり、内容は濃い。 「近世社会における大坂米市場の位置づけは、17世紀中後期から米商人が自主的に構築してきた秩序に、幕府が公的な保障を与えたことにより確立した」p39 「(米の)大津の入津規模は大坂の約1/3(30万石/97万石(1786))」p41 「蔵屋敷を「磁極」として大坂町奉行所との関係、蔵屋敷が所在する町との関係、そして出入り町人との関係という3つの人間関係が形成されていた」p55 「(大坂)蔵屋敷は町人屋敷でありながら、大名の領分でもあるという二重性を持った機関であった」p55 「(蔵屋敷が)幕府直轄領(大坂)に所在する町人屋敷である以上、そこで行われる取引は幕府司法の管轄下にある。蔵屋敷はまぎれもなく幕府によって一元的に把握される存在であった」p59 「先例、先格の支配する近世社会にあって、(大坂米市場では)古来からしきたりという名の慣習こそが規則であり、必要に迫られない限り、彼ら自身の手によって文字に残されることはなかった」p70 「現代で言う空売りが当時において行われていたこと、それが禁止行為であったことがわかる」p91 「(1798~1864年の米価系列データ)これだけの長期に亘って、同一地域、同一通貨単位、同一財について、日次で整備された価格系列は、少なくとも18世紀から19世紀における価格系列としては、世界的に見ても稀であり、価格系列そのものが持つ価値も高いと言える」p145 「(米市場における)諸大名の資金繰りの改善と市場の安定的な運営とのバランスを図ることは難しい。前者に重きを置けば市場が反発し、後者に重きを置けば資金繰りに行き詰まる大名が出てくる。これに対して幕府が示した答えは、市場原理を尊重するというものであった」p248 「誰もが自由に参加できる米市場が形成され、大量の米が円滑に売買される。これは必ずしも平坦な道のりではなかった。特に大坂は、中央市場であるがゆえに多くの経済主体の利害が複雑に絡み合い、円滑な運営を維持するために多くの制度的支え、政策的支えを必要とした。17世紀中葉から自生的に形成され、18世紀初頭に幕府権力の下に編成された近世米市場が、幕末に至るまで取引の行われる場として存在し続けたこと、それ自体が近世日本の達成であると言える」p294 「大坂米市場において情報効率的な米価形成が実現していたという事実は、それ自体注目すべき発見である」p315
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