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「うつ」の構造
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「うつ」の構造

神庭重信, 内海健【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 弘文堂
発売年月日 2011/12/01
JAN 9784335651465

「うつ」の構造

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商品レビュー

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2016/04/09
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うつ病はその人の個性が構築された背景、つまり家庭環境、文化的背景から生まれ持った遺伝子まで、非常に多くの要因が複雑に関係してくるもので、その病態も様々。簡単に語ることはできないらしい。 そのせいか、この本自体も少々難解に感じました。 多分、少々まわりくどい話の展開の仕方や、表現が硬いことも影響してますね。 それでもあえて、その症状のうちの一つをまとめたのがこの部分。 第4章 疾病概念を問う “現今のインターネット、新聞、テレビで流布し、それらが報じる「現代的なうつ病」「新型うつ病」は、「わがまま、自己中心的な性格の人が、軽微な仕事上のストレスで不全感を感じ (略) しかし、筆者が「現代型うつ病」として記述した病像は診断としては、内因性の軽症うつ病であって、容易に心因的な理解を受け付けない「精神疾患」である。まして、未熟者の蹉跌のことではない。その現代的なうつ病の病像変化の特徴は、①病前に几帳面、勤勉、忠誠を尽くす職業人だった症例の減少 ②病状の軽症化、不全型での受診、ということに尽きる。問題は このような変化にも関わらず変化しない成分はなにか、ということである。筆者の考えでは、その不変項は強迫性である。つまり、うつ病の成因論において、病前の強迫性の存在は非常に強い発症条件である、ということである。” ”現代の職業人は「几帳面」や「律儀」「ていねいな仕事」などのように目に見える仕事ぶりという面ではさして強迫性を発揮せず、ペースやリズムのようなことには過敏であるということである。このような変化の背景には、1960年代頃から加速した終身雇用の見直し、成果主義の導入、事務処理のOA化などの時代の変化がある。これらの現代的傾向が、効率とスピードを追求し、短期間での評価を決めるという思想として職場に浸透したのである。そのような「職業文化」の変質のため、組織と個人のドライな契約という関係性が標準化され、また職業人にも強く意識されて、彼らの仕事に挑む態度を決定づけているものと思われる。 (略) 職業人が契約以外の領域での組織とのつながり、それを通じての組織との一体感を感じられず、また感じることを期待できなくなった。つまり、現代においては組織が職業人の依存の場を提供しなくなり、dominant othersの役割を果たさなくなったのである。このことは、強迫性が表現されるためには、強迫性のredundancyを許容する依存の場が必要であることを意味している。” 妥当な推測じゃないかな、データによる裏づけが乏しいけど。 どんな本でも新聞、テレビ、雑誌でも、所詮は一次情報ではないわけで、どの部分が一貫性が保たれていて、どの部分がそうでないのかは意識して、疑問の余地は情報の質に応じてある程度残しておく必要があります。判断を誤る可能性は常にあるけど、間違わないことよりも修正できることの方が重要だから。

Posted by ブクログ

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