商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 明石書店 |
発売年月日 | 2011/12/02 |
JAN | 9784750334943 |
- 書籍
- 書籍
正義のアイデア
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
正義のアイデア
¥4,180
在庫なし
商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
ー 実現に焦点を合わせる観点は、完璧な正義を追求するのではなく、世の中の明らかな不正義を防ぐことの重要性も理解しやすくする。マツヤニヤーヤの例がはっきりさせているように、正義の課題は、単に完璧に公正な社会を達成する(あるいは達成することを夢見る)ことではなく、(マツヤニヤーヤの恐...
ー 実現に焦点を合わせる観点は、完璧な正義を追求するのではなく、世の中の明らかな不正義を防ぐことの重要性も理解しやすくする。マツヤニヤーヤの例がはっきりさせているように、正義の課題は、単に完璧に公正な社会を達成する(あるいは達成することを夢見る)ことではなく、(マツヤニヤーヤの恐ろしい状態を避けるといった)明らかにひどい不正義を防ぐことにある。例えば、一八世紀から一九世紀にかけて人々が奴隷制廃止を訴えたとき、人々は、奴隷制の廃止によってこの世の中が完璧に公正な社会になるという幻想を持って努力したわけではなかった。むしろ、奴隷のいる社会は全く不正義な社会であるというのが彼らの主張であった(すでに取り上げた著作家の中では、アダム・スミス、コンドルセ、メアリー・ウルストンクラフトは、この視点を提示することに深く関わってきた)。奴隷制の廃止を最優先課題としたのは、奴隷制は耐え難い不正義であるという判断であり、そのために、完璧に公正な社会がどのようなものであるかに関する合意を追究する必要はない。 奴隷制の廃止に導くアメリカの南北戦争はアメリカにおける正義にとって大きな成功であったと考える者は、(完璧に公正な社会とその他という対比しかない) 先験的制度尊重主義の観点からは、奴隷制の廃止による正義の促進に関してほとんど何も言えないという事実を受け入れるだろう。 ー 「先験的制度尊重主義」の「正義論」が決して悪いわけではない。ただし、その議論の過程で放っておかれているままの、世界に溢れている不正義を見過ごすことは出来ない。これが、センの思想の根幹にある。 正義は「正義論」を待たない。不正義を正す行為に「正義論」の完成は必要ない。不正義を正すために必要な正義は何か、というのがセンの問いなんだと思う。 ロールズの正義論は、その理想的な完成形として、とても正義に適った理論だと思う。正義の理論は、ロールズの正義論であるべきだと私も考える。ただし、この正義論はあくまで理想的な理論であり、我々がこの世界で実際に制度設計を行う方法論としては、世界があまりにも強固に不平等と不正義で構成されすぎている。 センの正義に関する考え方は、「正義論」といった完成された、整理・分類された理論ではない。なのでセンの正義論は〜である、と簡単に言えるものではない。それは、比較論的なものであり、目の前にある、不正義、不平等、不自由、不幸、不便、不満との向き合い方に関する考えた方なんだと思う。 そして真に問うべきなのは、この不正義であり、この不正義を無くす為に行為することこそが、正義のある場所であり、どこにもない「正義論」を振りかざす場所が正義のある場所では決してないのだ。
Posted by
2024.10.26. 再読 [ハーグ 25日 ロイター] 国際刑事裁判所(ICC)は25日、イスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状請求を決定する裁判官を健康上の理由から交代すると発表した。 現在、イスラエルのゴロツキ、ネタニヤフ首相が、ハマスや、ヒズボラや、イランの指導者...
2024.10.26. 再読 [ハーグ 25日 ロイター] 国際刑事裁判所(ICC)は25日、イスラエルのネタニヤフ首相に対する逮捕状請求を決定する裁判官を健康上の理由から交代すると発表した。 現在、イスラエルのゴロツキ、ネタニヤフ首相が、ハマスや、ヒズボラや、イランの指導者などを殺しまくってる。 オレは、今、このタイミングで、一番、読むべき本は、アマルティア・センのものじゃないかって、思い当たるところがあって、彼の本を、図書館で大量に借りてきて読み始めた。 この本を改めて読むのは11年ぶり(!)だ。 改めて読むと、言葉のひとつひとつの重さが、まるで違うね。ズッシリと伝わってくる。 2013.01.13 オレはこの本を読んで、意味がよく分からなかった。 しかし、アルマティア・センは、アダム・スミスが経済学をモラル・サイエンスだと捉えた、その考え方を、現代の経済学において継承している点で、注目に値する。 アダム・スミスの、各人の利己心を有効に活かすことが市場の活性化、経済社会全体の活性化になる、という考えを継承している。 彼の妻エマ・ジョージナ・ロスチャイルドは、第3代ロスチャイルド男爵ヴィクタ-の娘。経済史学者であり、アダム・スミスの専門家だ。 アルマティ・センは無神論者だ。 Wikipediaから アマルティア・センの研究は、飢饉、人間開発理論、厚生経済学、貧困のメカニズム、男女の不平等、および政治的自由主義などである。 経済学は、 「人はいかに生きるべきか」 「人間にとっての善」 という倫理学と工学の2つの大きく異なる起源から派生しているとされている。 センは、前者を「モチベーションの倫理的な考え方」と呼び、後者を「それを達成するための手段」としている。 センは、現状の経済学を批判するが経済学のもつ分析力については否定していないし敬意を払っている。 彼がとる分析手法は経済学の一般的なテクニックに根ざしている。
Posted by
正義の課題は、単に完璧に公正な社会を達成することではなく、明らかにひどい不正義を防ぐことにある。 しかし忠実なのは良いが、ちょっと翻訳が複雑すぎ。 有名な例題 - 三人の子どもと一本の笛 アンだけが笛を吹くことができる ボブは一番貧しくおもちゃを何も持っていない カーラ...
正義の課題は、単に完璧に公正な社会を達成することではなく、明らかにひどい不正義を防ぐことにある。 しかし忠実なのは良いが、ちょっと翻訳が複雑すぎ。 有名な例題 - 三人の子どもと一本の笛 アンだけが笛を吹くことができる ボブは一番貧しくおもちゃを何も持っていない カーラは、その笛を何ヶ月もかけて一生懸命作った 誰に笛を与えるのがふさわしいか
Posted by