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平家物語の怪 能で読み解く源平盛衰記
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平家物語の怪 能で読み解く源平盛衰記

井沢元彦【著】, 大槻文藏【能楽解説】, 森田拾史郎【写真】

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平家物語の怪 能で読み解く源平盛衰記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 世界文化社
発売年月日 2011/10/20
JAN 9784418115112

平家物語の怪

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商品レビュー

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2012/02/08

シテの人間性にフォーカスした、ある意味引き算の芸術ともいえる「能」。平家物語に関係する能の時代背景を「逆説の日本史」の井沢元彦が分かりやすく語る。 この時代は貴族の旧態依然としたやり方が通用しなくなって、平清盛でさえ結局その二の舞となる。価値観のシフトは頼朝の治世になるまで待た...

シテの人間性にフォーカスした、ある意味引き算の芸術ともいえる「能」。平家物語に関係する能の時代背景を「逆説の日本史」の井沢元彦が分かりやすく語る。 この時代は貴族の旧態依然としたやり方が通用しなくなって、平清盛でさえ結局その二の舞となる。価値観のシフトは頼朝の治世になるまで待たなくてはいけない。 ちょうどいまの民主党のガタつきは、平家の没落時と似てる(平家に失礼かしら)。自民・民主のあとは、なんかもうそういう既存の「党」とは別の何かのような気がする。

Posted by ブクログ

2012/01/30

「平清盛はなぜ天下を取れたのか」  祇園精舎の鐘の声(ぎおんしょうじゃのかねのこえ)  諸行無常の響きあり(しょぎょうむじょうのひびきあり)  沙羅双樹の花の色(さらそうじゅのはなのいろ)  盛者必衰の理をあらわす(じょうしゃひっすいのことわりをあらわす) この一節、過去に暗...

「平清盛はなぜ天下を取れたのか」  祇園精舎の鐘の声(ぎおんしょうじゃのかねのこえ)  諸行無常の響きあり(しょぎょうむじょうのひびきあり)  沙羅双樹の花の色(さらそうじゅのはなのいろ)  盛者必衰の理をあらわす(じょうしゃひっすいのことわりをあらわす) この一節、過去に暗唱されたかたも多いのではないでしょうか。瞬く間に華々しい興隆を極めた平家は、平清盛(たいらのきよもり)とその息子のたった2代で没落してしまいます。その一部始終を描いたのが『平家物語』。そもそも平家はなぜ天下を手中に収められたのでしょうか。作家・井沢元彦氏が源平合戦の舞台裏を描いた「能」を通じ、歴史的視点で読み解きます。  * * * 平家はその全盛期には日本の半分を一門で押さえていました。残りの半分も平家寄りの人材で治め、なおかつ天皇家をも手中に収めていました。それだけの体制を保っていれば、平家の権力は崩壊するはずがないのです。 ですが、なぜ、そうなったかといいますと、当時は、やはり時代の転換期だったんですね。どういう転換期だったかというと、それは貴族政治の時代から武家政治の時代への転換期だったのです。 (中略) 武士は平安時代後期から台頭し始めるのですが、その中でも代表されるのが平将門(たいらのまさかど)といった人たちですね。彼らがどんどん武士化して、日本の政治を支えているという状況ができてきます。 従って、保元の乱でも平治の乱でも活躍したのは武士たちです。 保元の乱は天皇家の争いなのだから、自分の国の軍隊を使えばいいと思うのですが、実は平安時代の日本には軍隊がないんですね。国が持っている軍隊がない。だから天皇家が戦争をしようと思ったら、武士集団の持っている力を借りるしかないのです。それゆえ武士団は傭(やと)われることによって中央の政界にどんどん入ってゆくわけです。 このように、平安時代末期の日本を実質的に動かしているのは武士でした。 では武士は、政治にも参加できたかというと、できませんでした。あくまで公家が偉いんです。荘園から得る経済力、そして軍事力を持っているのに政治に参加できない。この鬱積(うっせき)した不満を爆発させ、実際に政治権力を握って天下を取ったのが、平清盛その人なのです。ところが、平清盛はここで路線を誤ってしまったのです。 彼がなぜ天下を取れたかというと、武士が平家を支持したからです。なぜ支持したかというと、清盛が、武士による武士のための政権をつくってくれると期待したからです。ところが平家がやったことは逆でした。 かつては武士であったのに、むしろ武士を捨ててしまったのです。 武士というのは、ほとんど位は低く、高い位には就けなかったのを、清盛はどんどん上へのぼって、武家で初めて太政大臣になってしまった。これは右大臣より偉いんです。右大臣の上が左大臣。左大臣の上が太政大臣。この上は関白しかない。関白まで行きますと、ほとんど天皇代理ですから。しかも、自分の娘を天皇家に嫁がせて子供まで産ませ、その子供を次の天皇にした。 これは藤原氏の真似なんです。武士たちは、藤原氏のやっていることが不満だから清盛を支持したのに、結局、清盛は藤原氏と同じようになろうとしたんです。だから平家は急速に支持を失っていくわけです。~能で読み解く源平盛衰記『新装版 平家物語の怪』(井沢元彦著)より  * * * この井沢氏の『平家物語』の解説が、読み出すと止まらないおもしろさで、厳密に言うと物語をテーマにした能の解説です。 『平家物語』の能は平家の人々の悲しみや救われない魂を鎮めるためにつくられたとも言われています。本書では鎮めるべき魂の持ち主は誰で、その人々はどのような人生を送ったがゆえに、悲しみを抱えたままこの世を後にしなければならならなかったのか。そういったことが歴史の背景を織り交ぜた人間ドラマとして解説されています。「能のことは知らないし!」と思うかたほど、手に取っていただきたい1冊。 話し言葉で綴られている読みやすさも、魅力のひとつです。歴史物をいつもと違う視点で楽しみたいかたにおすすめします。

Posted by ブクログ

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