フランケンシュタイン 対決 ハヤカワ文庫NV

ディーンクーンツ【著】, 奥村章子【訳】

• 販売会社／発売会社: 早川書房
• 発売年月日: 2011/09/23
• JAN: 9784150412449

商品レビュー

2018/10/28

"最後まで予想を裏切る展開であきることなく一気読みでした。
悪夢は終わらないエンディングも素晴らしい。
続編があるそうなので、翻訳されることを心待ちにしています。"

2011/12/13

前作が結末までのインターミッション的な話として少々、欲求不満的な終わりをしたため、最終章である本作には期待をしていたのだが、結末が余りにあっけなく、その終わりも全く主人公たちが関与することなく、自滅で終わるという話は如何なものかということで、残念。商業的に成功しそうな感が出てきて、途中から延命的な方向に進んでしまった感がある。そもそも、200年かけて築いた強固で、とても敵いそうにない敵役の王国が、殆んど自滅的に崩壊してしまうのことと、その崩壊が主人公側の活躍をきっかけとしてもいないという終わり方はストーリーとしても如何なものかと思われる。折角、魅力的な登場人物を多く配して風呂敷を広げたのであるから、何とか畳んでいただきたかった。3作では実は、第1作目が一番、往年のクーンツらしくで良かった。

2011/11/05

クーンツの作品は本当に面白い。
『野望』に始まったフランケンシュタイン・シリーズは、三部作として本作『対決』で一応の終結を迎えます。

大変な悪の脅威の終焉として、このような舞台が用意されていたとは…一言で言うなら、この結末には驚きました。
これまで壮大な演出によって積み上げてきた、デュカリオンとヴィクター・フランケンシュタインとの対決にしては少々物足りなさを感じましたが、最後の最後に起こる出来事に、してやられた感じがあります。

即ち、早く四作目が読みたい…と。

前作のラストに姿を現し今回の『対決』にて、新たに登場する小人ジョッコとエリカ５のやりとりが好きでした。
これも、得体の知れない奇怪なジョッコをここまで不気味に、それでいてユーモラスに描けてしまうクーンツの表現に魅了された結果なのでしょう。

諸悪の根源であるヴィクターの様々な面が見られたのも、本作の興味深いポイントだと思います。
少しだけ、ヴィクターを気の毒に思ったことも、本作が初めてでした。

三部作として一応の完結は見せたものの、原著ではすでに五作目までが描かれているようです。

これまでのシリーズ同様、読了後に『早く続きが読みたい』という感想を持ったのは言うまでもありません。