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歌集 食卓の音楽
2,200円
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 六花書林/開発社 |
| 発売年月日 | 2011/09/01 |
| JAN | 9784903480589 |
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歌集 食卓の音楽
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
杉﨑恒夫さん、六十八歳ごろ(?)1987年に刊行した第一歌集。 2009年、九十歳で亡くなった杉﨑さん。 2010 年に第二歌集『パン屋のパンセ』を刊行。 好評を得て、二十四年ぶりに新装版としてこの『食卓の音楽』が刊行された。 まず、その教養とも言える知識量に驚く。 芸...
杉﨑恒夫さん、六十八歳ごろ(?)1987年に刊行した第一歌集。 2009年、九十歳で亡くなった杉﨑さん。 2010 年に第二歌集『パン屋のパンセ』を刊行。 好評を得て、二十四年ぶりに新装版としてこの『食卓の音楽』が刊行された。 まず、その教養とも言える知識量に驚く。 芸術、科学、自然、音楽。 わからない単語が多くて、タブレットで調べながら読んでいったのだが、とても面白かった。 *** ティ・カップに内接円をなすレモン占星術をかつて信じず ──内接円(ないせつえん)とは、三角形や多角形の内側にあって、すべての辺に接する円のことです。すべての三角形には必ず内接円が存在し、その中心を内心と呼び、三角形の3つの内角の二等分線が交わる点に位置します。 丸いふちのカップじゃないのだな。デザイン性の高い多角形のカップなのかな。 〈かつて信じず〉だから、今は信じているのかもしれない。 信じたい、と思える何かがあったのだろう。 ひしめきて壺に挿される薔薇たちの自分以外の刺(とげ)を痛がる ──自分は相手の刺が痛いけれど、自分の刺は相手に痛くない、と思っている。 示唆に富んだ短歌。 彫刻家の死にしときより青銅の猫は目覚めるチャンスをなくす ──つくりかけの猫の彫刻だろうか。作者の死によって、永遠に目覚めない。 食パンの白い内部を通過するパン切りナイフむずがゆい春 ──たしかに、〈むずがゆ〉そう。 つつかれてヨーグルトに沈む苺 やさしき死などあるはずもなく ──苺の溺死。しろくてぬったりとした液体に沈められる最期。 「信じるのはやめてください」温室に冬汗ばみて読む花ことば ──調べたらそんな花ことばをもつ花はなかった。想像の花ことばだろうか。その花ことばを持つ花は、どんな香りがするだろうか。 *** 以前拝読した、『パン屋のパンセ』では、浮世離れしたイメージがあったのだが、この歌集では、仄暗い部分も垣間見え、人間味のある杉﨑さんもいいなと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日常の歌だけどどこかファンタジーやロマンティックを感じるような、静謐で美しい歌集。昨日読んだ岡本真帆さんははっきりと夏のイメージだったが、「食卓の音楽」は冬や雨の歌が多くて正反対の印象だ。 ティ・カップに内接円をなすレモン占星術をかつて信ぜず 聖歌隊胸の高さにひらきたる白き楽譜の百羽のかもめ 街頭に雨光るとき喚声を抑えて並ぶ夏の果実ら この、暮らしの中にはっとするような美しさを見いだすまなざし。過不足なく端正に一首の中に落とし込む言葉の切れ味。読んでいるとケーキのショーケースを見ているみたいな感覚になって好き。第二歌集も読みたい。
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ブクログの皆さまこんにちは! 今年も1年間ありがとうございました。 年の最後に杉崎恒夫さんの第一歌集『食卓の音楽』からとびきり抒情溢れる歌をお届けします。 昨年の歳の瀬もやはり杉崎さんの『パン屋のパンセ』でしたが今年はこちらにしました。 短歌を読み始めてまだ間もない私ですが、...
ブクログの皆さまこんにちは! 今年も1年間ありがとうございました。 年の最後に杉崎恒夫さんの第一歌集『食卓の音楽』からとびきり抒情溢れる歌をお届けします。 昨年の歳の瀬もやはり杉崎さんの『パン屋のパンセ』でしたが今年はこちらにしました。 短歌を読み始めてまだ間もない私ですが、杉崎さんの歌は明るくてロマンに溢れるものが多いと感じています。 歌人の中でも異色な存在であられる気がします。 杉崎さん御自身も、この歌集で御自身の歌を ○毒のないぼくの短歌とよくなじむ信仰心のうすいマシュマロ と詠ってらっしゃいます。 三鷹の天文台にお勤めだったという杉崎さんの歌を私のセレクトで申し訳ありませんが厳選してお届けさせてください。 それでは、皆さまよい新年をお迎え下さい。 ○風かげの岬を覆う水仙の香はたちのぼる歓声となる ○簡潔なるあしたの図形 食パンに前方後円墳の切り口 ○ほどほどに仕合せと見ゆる夫婦いて展望台この行き止まり ○街頭に雨光るとき喚声を抑えて並ぶ夏の果実ら ○膨れゆく硝子の火玉 ラプソディ・イン・ブルー吹く硝子工 ○うしろでに図書館の扉しめるとき冷んやりと昏き八月の森 ○くだものの皮ほぐれつつくだものの芯にサティのオルゴール鳴り ○山荘のあしたの卓の葡萄酒にフランスの地名ひとつ覚えぬ ○晩夏(おそなつ)の西日さし入る店頭にどれも発熱の黄なるオレンジ ○どどと吹く風の又三郎むさし野の雑木林にどんぐりこぼす ○山宿に夕餉喰みつつものがなし西脇順三郎こんにゃくの詩 ○立ち読みしサン=テグジュペリのひと言が心に残り本屋をいずる ○ケンタッキー・フライドチキンの風見鶏冬づく山が遠く澄みゆく ○<雨だけが崇高である>とうたうとき二月の雨はきんいろに降る ○まだ硬き柿の青実に跳ねかえる音は<革命>のクレッシェンド ○少しさむい春の夜だからワグナーのトランペット群ぎんいろがよい ○星空へ紛れこませるわが神話チェロ座・ピアノ座・ヴァイオリン座 ○かなしみよりもっとも無縁のところにてりんごの芯が蜜を貯めいる ○画多き鬱という字はどこからも付きくずせない 花どきの雨 ○わが生の終わりにちかく挿しはさむカデンツァのごとき淡き仕合せ ○舞う雪のみずからたのし平均律クラヴィーアソナタ空に満ちみち
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