ノースアメリカンF-100スーパーセイバー

文林堂編集部編(著者)

• 販売会社／発売会社: 文林堂
• 発売年月日: 1990/05/01
• JAN: 9784893190192

商品レビュー

2015/10/05

世界初の実用超音速戦闘機F-100スーパーセイバーの本。

F-100はエリアルールが適用される前の機体だが、抵抗減少と高出力のエンジン搭載で力技で音速を超えている。アメリカ機で同様に音速を超えているのはF-104。まあこちらは「断面積」の分布を云々するほど大きい主翼を持っていないわけだが。

音速を超える能力はあるが、実際に音速を超えられるのはクリーン形態である等様々な制約があり、実戦で超音速で飛ぶ機会はまずないと考えられる。もっとも現代の戦闘機も実戦でそうそう音速を超えることはないが。

F-100が存在意義を認められたのは強力なエンジンによる搭載能力で、Ｃ型以降は戦闘攻撃機として進歩していく。その背景には核攻撃能力を充実させたいTACの思惑があったとはいえ、ベトナム戦争の序盤で攻撃機として実際に活用される。

ならば超音速性能を欲張らなければもっといい攻撃機ができるだろう、ということで空軍が目をつけたのが海軍のA-7コルセアII攻撃機で、本機の後継としてベトナムで使われる。

そんなF-100の概要を知ることができるほか、核攻撃機としてのF-100の詳細、発展型のF-107の記事、そして日本でも演技を行ったサンダーバーズなどについての記事もある。

四半世紀ほど前の本だがさほどの古さは感じさせない。

もっとも、バーズではF-16がF-100の使用年数をやすやすと超えてしまったことは追記しておきたい。