ざわわざわわの沖縄戦 サトウキビ畑の慟哭 光人社NF文庫

田村洋三【著】

• 販売会社／発売会社: 光人社
• 発売年月日: 2011/07/21
• JAN: 9784769826996

商品レビュー

2020/08/26

かの有名な歌のリフレインであるが、「ざわわ」という言葉の響きにここまでの意味合いが込められているとは知らなかった。沖縄でのさとうきびの歴史。太平洋戦争の沖縄の地上戦時に食べ物がない中、どれだけさとうきびに助けられたか。米兵からも日本兵からもひどい扱いを受け、沖縄での壮絶な地上決戦をなんとか生き抜いた人が民間人の方の貴重な証言が伝えられている。戦争はやはり人を変えてしまう残酷なもの。当時の様子は読んでいてとても胸が痛むが、語り継がれるべき内容。当時を語る方の心痛もとても感じられる。沖縄が琉球王国の時代に薩摩藩に侵略された歴史も初めて知った。沖縄が本当に大変な歴史をもってることを改めて痛感。日本人兵士のBC級戦犯の人たちは捕虜の虐待で処刑にされたけど、米も日本人捕虜に対し虐殺したりひどい扱いをしていたことを証言している。戦争は本当ひどい。

2018/11/04

娘の修学旅行に向けての課題図書なので、読んでみた。沖縄特有の左翼思想に沿った歪んだ内容ではあるが、各戦闘については、ある程度詳しく調べられている。沖縄戦そのものを批判するためには戦争指導部の研究が不可欠であり、国家的見地から沖縄戦の位置づけを明確にした上で各戦闘論に入らなければいけない。当時若者であった現在生きている被害者へのインタビューを重視している点がそもそもの誤りである。沖縄戦研究書としての価値は低い。