ソビエトウォッチング40年 あたまを狙われる日本人

曽野明(著者)

• 販売会社／発売会社: 扶桑社
• 発売年月日: 1983/10/01
• JAN: 9784383022750

商品レビュー

2019/11/06

今までソ連の謀略に関する考察は、中川八洋筑波大学名誉教授の論文などでしか接してこなかったが、３６年も前の本書にその詳細が記されていたのに驚いた。共産ロシアの思考を論理的に読み、自由主義諸国が団結しなければ共産主義の餌食になっていく危険性を説いている。これ程の名著を産経新聞社、その関連会社の扶桑社は何故復刊しないのか。共産主義思想が死滅してしまわない限りこの本の内容は古びないのだ。現に今のロシアに当てはめても何ら矛盾はない。やはり「保守」は「営業」で、本籍は左翼なのだろう。

2017/09/23

曽野明さんは元外務官僚である。大正生まれの方だが、昭和世代に比べて、大正世代には、自国の利益を冷静に評価できる人がいたんだね、と考えさせられた。しかし、今でもそのような人材は、きっといるのだと思う。日本の外交は、よく非難されているが、思った以上に無難にこなしているのではないだろうか。本書では、戦中戦後の外交史の一部が垣間見られて、非常におもしろい。曽根さんの考えは、非常に現実的であるが、まさか、これほど早くソ連あ崩壊するとは、さすがに思っていなかったようである。かように、共産主義国というか、国が滅びるときは、あっという間であり、中国もそうかも知れないと考えたいが、この日本がそうならないよう、がんばらなければならない。