我が人生の奇跡 清和大学誕生

真板益夫(著者)

• 販売会社／発売会社: 地方小出版流通センター
• 発売年月日: 1995/04/01
• JAN: 9784872300376

商品レビュー

2012/09/09

教育に一生を捧げようと誓った筆者の教育にかける情熱が伝わってくる書籍である。戦後の混乱期に起業し、千葉県南房総に幼稚園から大学までの一貫教育ができるまでの経緯が書かれている。それは多くの奇跡が重なってのことだと言うが、実際は筆者の情熱と忍耐力ゆえの必然であることがよくわかる。

P１６４
さて世の中は順調なことばかりが続くものではない。
体育活動やクラブ活動の拠点になっていた体育館が全焼するという悲運に見舞われたのは七年ほど前の事だった。
火事の知らせを聞いて駆けつけた時には、手の施しようもなく、ただ呆然と見守るばかりだった。
私が心血を注いだ施設の一つが、今、失われつつあるのだ。あの時の気持は今も忘れられない。
だが、それが私の持って生まれた根性かも知れないが、この悲運を私は幸運に変えようとした。
”火が燃え上がっているじゃないか。燃え上がるということは、天が自分に情熱を燃やせという事だ。これしきの事でくじけては、今までやって来た事に何の意味もなくなる。よし、ここにかねて念願の大学を建ててやろう”
火事を見ながら私は直ちに自分を奮い立たせた。

P１６８
「困難にくじけない強い精神力を、この学園生活で養ってもらいたい。
そして強じんな精神力を持ち続けることである。
どんな苦しい時にも耐え忍ぶことができる人間になってもらいたい。
そして諸君たちが社会の良心になることを期待する。
世の中がいかに変わろうと、常に己を高く持っていく。
人に頼らないで独立自尊の人になれ。
独立自尊と言葉で言うのは簡単だが、実はたいへんな努力を必要とするのだ。
しっかりとした知識を持って自分を鍛えなければならない」
これは私が今まで努力して自らが辿って来た人生行路であり、これが間違っていなかったと信ずるがゆえである。