リーダーの危機突破力 企業価値向上論講義

佐山展生【編著】

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞出版社
• 発売年月日: 2011/07/08
• JAN: 9784532316624

商品レビュー

2012/05/18

佐山展生著「リーダーの危機突破力」日本経済新聞出版社（２０１１）

＊海外の企業は常に世界を見つめ成長をしているということをしっかりと認識しなければなりません。
＊１９９０年代の終わりまでは日本のM＆Aの評価方法の主流は、バランスシートの資産をベースにする評価方法でした。たとえば時価に修正したバランスシートの純資産額が３０億円であったとすると、これに営業権を加えた額を１００％株式の価値と評価していました。営業権にはたとえば経常利益の５年分とかが用いられていました。
＊全体の株式の三分の一以上保有すれば特別決議の拒否権が得られます。これは拒否権プレミアムになります。また５０％以上もてはその株主だけで株主総会の普通決議を通す事ができます。これは経営権プレミアムです。また三分の二以上もては定款の変更などの重要手続きができる特別毛つりを通す事ができます。これは支配権プレミアムになります。
＊日本企業が甘い見通しで現地企業と提携し、その国に進出したとしても、利益を得られるのは現地企業だけになりかねません。

2012/01/28

今月の課題図書、１冊目。大学教授が、講義の中で、ゲストとしてお招きした経営者の講演内容をまとめた本。楽天・三木谷さん、伊藤忠・丹羽さんなど、有名どころもいいのですが、元デル・吹野さんや、農林中金・能美さんが面白かった。結論から言うと、なぜこのタイトルをつけたのか全く理解できなかった。「危機突破力」の話はどこに行ったのだ…？

2011/11/11

M&Aアドバイザリーファームの経営に携わり、一橋大学大学院教授である著者。

著者の授業に招いた8名の企業経営者の講演を纏めた本。
講演内容のサマリー、生徒との質疑応答、著者の見解という構成。

タイトルに「危機突破力」とあるが、必ずしもそのテーマには限定せずに、
各経営者の人生経験や事業の振り返りを通じて、
経営者に必要とされるスキルが何であるのかを学べる本。
業種も多岐に亘っており、様々な知見が得られる。

しかし、8名という人数の多さもあって、それぞれの内容はやや薄い。
また、著者の話を直接聞いたことのある身としても、
著者のカラーが全くでていない点は残念。

纏めとしてリーダーを3つ（独創・戦略・管理）にタイプ分けて説明している。
全て読み終わってから纏める帰納的手法でなく、
まず結論を出して、事例を説明する演繹的な書き方の方が、
読者に理解しやすかったのではないだろうかと感じた。