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おれたちの熱い季節
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おれたちの熱い季節

星野光徳(著者)

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おれたちの熱い季節

968

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 1978/02/01
JAN 9784309000541

おれたちの熱い季節

¥968

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2013/09/05

 「あれはまだ『いろいろありました』などと言って苦笑し合うほど過去ではない。」と語り、労働組合のストを複雑な想いで見つめる男の学園闘争を闘った日々の回顧録が第一章。彼を誘い、また彼の所属したノンセクト組織の指導者的立場にいた男の視点で語られる闘争と彼の悲恋物語が第二章。そして二人...

 「あれはまだ『いろいろありました』などと言って苦笑し合うほど過去ではない。」と語り、労働組合のストを複雑な想いで見つめる男の学園闘争を闘った日々の回顧録が第一章。彼を誘い、また彼の所属したノンセクト組織の指導者的立場にいた男の視点で語られる闘争と彼の悲恋物語が第二章。そして二人の総括的やりとりが最終第三章という作りの全共闘文学作品。  全編通して苛立ち・怒りの言葉で埋め尽くされているような小説であるが、物寂しく切ない印象も覚え、全共闘時代という時代の体質がリアルに描かれているのではないかと推察します(リアル世代ではないので実際のところは分かりません)。 「全共闘運動をはじめて内部から証言した記念碑的力作」と帯に書かれた本作は三田誠広『僕って何』の直後に文藝賞を受賞した作品であるが、学生運動を通して作者の個人内部における問題を扱った『僕って何』とは正反対の性質を持ち、全共闘運動の全体構造を小説=表現の世界に捉えかえそうとした作品。(参考、引用 『全共闘文学論 祝祭と修羅』黒古一夫)  作中、「俺はいつまで黙っている積りなのだろう。何故、せめて黙っているしかない自分を説明しないのだろう」という一文があるが、ここに時代をあえて語ることの作者の覚悟、創作のモチーフが感じられる。そしてはっきりと敗北を突き付けられた時代を21世紀になってから語るのではなく、まだ『いろいろありました』などと言って苦笑し合うほど過去ではないタイミングで発表されていることに史的な重要性がある作品だと思います。  ぜひ復刊されるべき。ただし改題すべき。読み終えて作品の文脈を使った〈おれたち〉〈熱い季節〉の言葉の響きには感傷に訴えてくるものがあるけど、読む前段階での『おれたちの熱い季節』というタイトルはティーン向けの拙い小説みたいな印象なので……。

Posted by ブクログ

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