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グレー・ラビットのおたんじょうび 児童図書館・絵本の部屋
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グレー・ラビットのおたんじょうび 児童図書館・絵本の部屋

アリソン・アトリー(著者), マーガレット・テンペスト(著者)

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グレー・ラビットのおたんじょうび 児童図書館・絵本の部屋

869

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 評論社
発売年月日 1982/09/01
JAN 9784566000667

グレー・ラビットのおたんじょうび

¥869

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2024/04/07

 グレー・ラビットシリーズは、電気もガスも無いけれど、素朴な美しい自然の中で暮らすことにささやかな幸せを見出せる、同じ家で暮らす、灰色うさぎのグレー・ラビット、大うさぎのヘアー、小りすのスキレルを中心とした、作家アリスン・アトリー(1884-1976年)の、子ども時代の田舎暮らし...

 グレー・ラビットシリーズは、電気もガスも無いけれど、素朴な美しい自然の中で暮らすことにささやかな幸せを見出せる、同じ家で暮らす、灰色うさぎのグレー・ラビット、大うさぎのヘアー、小りすのスキレルを中心とした、作家アリスン・アトリー(1884-1976年)の、子ども時代の田舎暮らしを再現した物語です。  さて、今回はどんなお話になるのでしょうか(1944年作)。  庭いじりをしながら、普段そんなに仲良く見えないヘアーとスキレルが、何やらひそひそと密談を交わしている新鮮な始まり方は、6月24日がグレー・ラビットの誕生日で、彼女のためにバースデイケーキを作ろうということを知り、彼女のためならば、何の躊躇いもなく手を結べる二人に、おっ、いいとこあるじゃん。  と話していたら、当の彼女がやって来て、何を思ったのか、いきなりヘアーが「もうすぐきみのた、たん──」と言い出そうとするから、スキレルが「シーッ、言っちゃだめ!」と慌て出す始末に、彼女もキョトンとするが、それでも堪えきれない、メンタル面の弱さがあるヘアーに、スキレルはハンカチを口に巻き付けて、何とか凌いだものの、この後は彼女と一緒に、めんどりのスペックルおばさんのところに卵をもらいに行きながら、仲間たちに彼女の誕生日をそっと伝えるという、過酷なミッションが待っているのであった。  その過程は、ヘアーがフクロウはかせを恐がって、スキレルが伝えに行ったこと以外は、割とすんなり進行したが、個人的にショックな出来事があり、それはこれだけ見ても実感されないかもしれないが、『モールディじいさん』の一文であり、これにて私の妄想は99.9%終了いたしました。  そして、次の日に二人は、早速ケーキ作りに取りかかり、スキレルは自信が無い、ヘアーはなぜか自信たっぷりではあったものの、料理はほとんどグレー・ラビット任せなため、中々、上手くいかない中で現れた、思わぬ助っ人のアドバイスもあった上に、これまでにはなかった、彼女のために失敗したくないという強い思いが完成させた、その直向きさが印象に残った上に、その後の彼らのプレゼント作りにも心を込めた様子が窺えて、隠し場所は意外なところでと、いろいろあったけど、これは完璧と言っていいのではと、思わず嬉しくなってしまった。  また、これまでにない珍しい場面として、グレー・ラビットに口実をつけて外におびき出させる際に、あまりに厳しく言い過ぎたヘアーのせいで(こらっ!)泣いてしまった彼女の絵が、マーガレット・テンペストによって描かれていることで、その素朴な愛らしさに満たされた彼女を、しっぽで慰めるスキレルの優しさも含めて、とてもレアなシーンだと思う。  そして、その誕生日前夜、何も知らずに寝ようとするグレー・ラビットであったが、外から奇妙な音がして、気になって外にそっと出てみると、なんとそこにいたのは、はりねずみのヘッジの息子ファジペグではないか。何故と思ったが、その理由は何とも涙ぐましい健気なものでありながら、これがまた後々のシーンで思わぬ笑いを引き起こしてくれる、お話の妙である。  その翌朝、ヘアーとスキレルは、どちらが先に彼女に「誕生日おめでとう」を言うかで、にらみ合いをして・・・あんたたち仲良くなったんじゃなかったの? と思ったが、まあそんな簡単にはいかないのが、彼らの良いところでもあり、やがては一緒に言おうということで妥協して、二階へ上がると・・・(笑) 毎度毎度、ヘアーの素直なリアクションには笑わせてくれて、最高ですね。  そんなこんなで始まった、彼女のお誕生日パーティは、また思わぬところで大事なケーキが!? なんて自体もあったが、彼女の、普段から変わらぬ何も求めない誠実な生き方と、二人の努力が幸いしたのであろう、最後にはみんなでワイワイと、楽しくも感動的で素敵な一日となったのでした。  一つだけ書いておくと、彼の贈った物から流れる、ナイチンゲールという鳥は、サヨナキドリとも呼ばれる、西洋のウグイスとも言われるほどの鳴き声の美しい鳥であり、漢字表記にすると、小夜啼鳥と、まさに夜にウグイスのような可愛らしい声で歌う彼女そのものを象徴するような、彼女のことをよく分かっている者で無ければ贈ることの出来ない物であることを、ここに記載しておきたい。 「まあ! まあ! これはなあに?」 「だれかさんのバースデイ・ケーキよ」 「これは、みんなのケーキさ」  たまには良いこと言うじゃん、ヘアー。

Posted by ブクログ

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