商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 白泉社 |
発売年月日 | 2011/07/05 |
JAN | 9784592186564 |
- コミック
- 白泉社
花よりも花の如く(9)
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花よりも花の如く(9)
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商品レビュー
3.9
25件のお客様レビュー
能楽師お仕事コミック9巻目。 テレビドラマの撮影も終わり、放送を待つばかり。 能三昧の日々に戻る憲人。 とはいえ、共演した日系アメリカ人俳優、レニーこと琳が憲人に弟子入りして能の稽古に通うようになったり、旧知の狂言師の妹で女優かつピアニストの葉月との交流も続いたり、ちょっとした...
能楽師お仕事コミック9巻目。 テレビドラマの撮影も終わり、放送を待つばかり。 能三昧の日々に戻る憲人。 とはいえ、共演した日系アメリカ人俳優、レニーこと琳が憲人に弟子入りして能の稽古に通うようになったり、旧知の狂言師の妹で女優かつピアニストの葉月との交流も続いたり、ちょっとした変化もある。 琳は「岩船」という龍の出てくる演目を習っている。龍になるとはどういうことか、今一つ掴み切れない琳。憲人が「春日龍神」で龍を演じるので、それを見れば何か掴めるかも?と期待する。 憲人は「春日龍神」を演じる前に、その舞台である春日大社を参拝することにする。 何の気なしにその話を葉月にし、冗談のつもりで同行を誘ったら、何と一緒に行くという。 ・・・え? それってデート・・・? しかも日帰りではなく・・・? そんなころ、師匠から和歌山に誘われる。和歌山と言えば道成寺。安珍・清姫伝説の寺である。能「道成寺」は重い演目で、能楽師では30代半ばころに披く(初演する)ことが多い。 憲人は見学の折、師匠から30歳の誕生日に披いたらどうかと勧められる。 あと2年半。 揺れる気持ちとは裏腹に、「やります」と即答する憲人。 さて、この大きな曲に向けて、準備をしていかなければならない。 一方、春日大社へのお参りの日が来る。 服装が被っていたり、何かと気が合う2人。 楽しいひと時を過ごし、友人の家に泊るという葉月と夕刻別れるが、迎えに来た友人を偶然見かけてしまい、それが男性であって少々ショックを受ける憲人。 彼は何者だろうか? 「道成寺」は先の巻に取っておくことにして、「春日龍神」をおさらい。 ワキである明恵は栂尾に庵を結ぶ僧。入唐渡天(中国、インドに渡り、仏跡を巡ること)の願いを持ち、春日大社に暇乞いに行くが、そこで神官(前シテ:前半の主役)に会う。神官は釈尊滅後の今、唐や天竺に参っても意味はなく、春日の地こそが聖蹟・霊鷲山にも等しき仏法の聖地であることを明かし、出発を思い留まるよう諫める。明恵はこの助言を聞き入れ、旅を取りやめることにする。神官は三笠山に仏の一生を映し出そうと言って去る。 しばし待つうちに現れたのが龍神(後シテ)。仏法の奇蹟を演じ、夜明けとともに猿沢の池に飛び込み、姿を消す。 明恵上人は華厳宗の中興の祖と言われる高僧で、何かと伝説の多い人物。明恵ゆかりの事物が栂尾・高山寺に守り伝えられている(cf:『華厳宗祖師絵伝』)。 明恵は実際、唐・天竺行きを願いながら、春日大社の神託でこれを断念したという。この演目はこれを受けているわけだ。 春日大社が仏法の聖地というのは神仏習合の1つの形というところか。本作、作者は不明のようだが、世阿弥や金春禅竹(世阿弥の娘婿)という説もある。世阿弥の時代の宗教観はこんな感じだったのだろうか。 春日大社から猿沢の池に飛び込む龍が見えるかな?というのもよくわからないのだが(いや、昔は見えたのかな? 今でも見えたりするのかしら??)。三笠山を舞台代わりに使うというのだから、何だか度外れて壮大な話である。
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「台本をよく読んで状況をリアルにイメージしてしかるべきアク ションをする そしたら自然に感情生まれる』。 龍神を演じることが 「楽しみ」 と言う憲ちゃん。 思っているのと逆のことを言ってしまうことってあると思うが それは自分をもり立てようとしているのか、 深層心理では本当に 楽しみなのか。 大体三十代半ばで披く道成寺を、 アラサー記念に 披けばいい、と言ってくれる先生が有り難い。 やりますと答えてしまうのもまた日常の関だったのだろう。 西門が養子に行った日の事を忘れていたのを 人は嘘をつくと捉えるのは 幼少の憲ちゃんが気の毒にも思うが 見たいものだけを見て覚えて 見せたい自分を選択するのは 必死で生きている証 というのは良い考え方に思う。 市祐先生が見にきた時、 自分の震えを 武者震いだと言い聞かせるシーンが良い。 別に浮かれている訳でなく 必死に良かれと思ってやっているのに悔しいが、 誰からも文句が出ないくらい死ぬほど稽古する と闘志を燃やすところが素晴らしい。 家でも稽古したいと伝えたら、 自分達も考えていたのだと言って すぐさま行動に移してくれる家族がさすが過ぎる。 良い家族だな。 葉月さんは気が強そうに見えるけど、だからといって傷つかないわけでは当然なく 事故が起きた時に一人ではなくて本当に良かった。 自然になでなでしてしまう憲ちゃんも可愛い。 こういう時に変な慰め方や、お前も悪いところがあると言ってくるのではなくて 頑張ったねと言ってくれるのは本当に泣ける。 しかも運転を代わってくれて、さらに気分転換させてくれるのが完璧で 憲ちゃんが好かれるのはこういうところだろうなと思うのだ。
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道成寺をひらくことが決まった憲人。葉月へのもどかしい思いが恋と自覚しても、大きな仕事を前に、少し離れようか、と考えたりする。男心ってこんなかな〜。
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