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印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ NHK出版新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | NHK出版 |
| 発売年月日 | 2011/06/09 |
| JAN | 9784140883501 |
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印象派で「近代」を読む
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商品レビュー
4.1
42件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
印象派とフランスの時代背景についての説明的な本だった。絵がたくさんあってたのしかった。 ドガの「カフェにて」という絵を初めて見たのだけど、女の人すごくつまんなそうな顔しておもしろ〜〜!って思って解説読んだら全然違う意図の表情だった。 絵って全部物語が盛り込まれてると思ってたから、印象派は見たままに描かれててメッセージ性はないから教養を必要とせず楽しめる、みたいなことが書かれててびっくりした。 洪水で水びたしになった村があって舟で移動するしかなかったところを絵に描いてる画家がいて、その人は水面のきらめきが好きだったのらしい。きれいだから描いたそうで、村人の苦労を伝える意図はないのらしい。映えてるから絵に描いたってこと……?? でも人がなに考えてるかは本人以外わからないから、こう解説されてても「こんなに村は大変なことになってるけどこんなに美しいです。こんなに美しいのに。」って思いながら描いたかもしれないよな。この画家に限らず、やや勝手なこと言ってそうだな、って思っちゃったところがあるので心情の部分はあまり信じないでおきます。
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印象派作品は明るく、わかりやすく、心を癒し、市民階級の日常を肯定してくれる。 だから、市民階級にとって、身近なものに感じて、多くファンに受け入れられた。 印象派と浮世絵(ジャポニズム)のマーケティングの違い。 印象派は、作家やその理解者(ギャラリーオーナー)などが、その作品...
印象派作品は明るく、わかりやすく、心を癒し、市民階級の日常を肯定してくれる。 だから、市民階級にとって、身近なものに感じて、多くファンに受け入れられた。 印象派と浮世絵(ジャポニズム)のマーケティングの違い。 印象派は、作家やその理解者(ギャラリーオーナー)などが、その作品の良さを理詰めで発信した。その結果、アメリカでのコレクターの拡大など、ファンの裾野を広げた。 一方、浮世絵は、日本人独特の作品を見て感じる、説明はしないような、文化が幸いした。一過性のジャポニズムの流行はあったものの、長期的なファンの継続には繋がらなかった。
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印象派の数多くの作品を豊富な図版で紹介しつつ、そこにえがかれている時代のありようについて解説をおこなっている本です。 ヨーロッパの絵画を解釈するにあたって図像学的な知識が必要となることは、現在ではひろく知られるようになりましたが、19世紀の風俗をえがいた印象派の絵画も、そこにえ...
印象派の数多くの作品を豊富な図版で紹介しつつ、そこにえがかれている時代のありようについて解説をおこなっている本です。 ヨーロッパの絵画を解釈するにあたって図像学的な知識が必要となることは、現在ではひろく知られるようになりましたが、19世紀の風俗をえがいた印象派の絵画も、そこにえがかれている対象とそれらを取り巻く西洋社会の実態について知ることが欠かせません。本書は、文章による解説と図版に付された注釈によって、これらの絵画がえがかれることになった時代背景が理解できるようになっています。 著者は「あとがき」で、「なぜ日本人はこれほどまでに印象派を好むのでしょう?」という問いかけをおこない、「印象は作品が明るく、わかりやすく、心を癒し、市民階級(まさに現代の我々)の日常を肯定している、という点が大きい。何かを強く主張してこないので、疲れないのも良いのかもしれない」と述べています。これは、常識となっている印象派解釈に沿った説明といえるでしょうが、本書の解説はむしろこうした理解をくつがえすものです。 たとえば著者は、印象派の絵画にえがかれている貧富の差や女性の地位について、当時のヨーロッパ社会がかかえていた問題をわかりやすく解説します。さらに印象派がこれほどまでにひろく受け入れられるようになったのは、日本とアメリカの影響が大きいとしながらも、その受容史のなかにも権力勾配が存在していたことを明らかにし、さらに印象派の画家たちが目の前の世界をえがきとることにのみ関心を向けていて、社会に対する批判的精神を持ちあわせていなかったことも指摘されています。
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