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校注徒然草
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校注徒然草

稲田利徳(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 和泉書院
発売年月日 2000/04/01
JAN 9784870882676

校注徒然草

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2015/08/15

講義のテキストとして買ったまま積みっぱなしになっていた一冊。 この作品が取り上げられるのは、いわゆる段ごとの部分部分。小林秀雄の徒然草への一説を読んで、それではこのひとりの知の巨人が紡ぐ、「つれづれなるままに」の持つ力の何も触れられないことに気付く。 とりとめのない、「こころにう...

講義のテキストとして買ったまま積みっぱなしになっていた一冊。 この作品が取り上げられるのは、いわゆる段ごとの部分部分。小林秀雄の徒然草への一説を読んで、それではこのひとりの知の巨人が紡ぐ、「つれづれなるままに」の持つ力の何も触れられないことに気付く。 とりとめのない、「こころにうつるよしなしごと」の数々。でも書かずにはおれない「ものぐるほし」いまでの情熱。 俗世や権力への批判だとか説教だとか、そういったことをしたくて、彼は筆を取ったのではない。そんなこと、彼にはあいなきことであるから。あるがままというものをみたくて、あるがままを求めて彼は筆を動かす。仁和寺の法師の滑稽談、栗しか食べない姫君とか、別に変な話が書きたいわけでは決してない。こころにうつったからには、書かなければ、それはあるがままのあらまほしいことでは決してないから。 しかし、求めるほどあるがままではなくなる。あるがままは、求めたその時点でなくなるから。そんな不条理な世の中の無常を誰に伝えることもできず、硯に向かって書かなければおれなかった彼の途方もない孤独。徒然草はそんな孤独に寄り添い、慰める、そんな彼の思い出の集大成。 思い出は流れるようにうつってゆく。喜んだと思えば悲しみ、厳しいと思えば狂おしいまでの懐かしさだったり。その場にはとどまっておれないひとの宿命。流れれば流れるほど、流れないものをくっきりと感じずにはおれない。何者にも縛られないということは何よりも縛られている。縛るというそのことさえも捨てなければ、あるいは捨てるということさえ、やめなければ。古きいにしえの時代が恋しいのではない。なにものでもなかったそのものが、彼をどうしようもなくひきつけるのだ。それは彼が気付いたときには、もう彼からとりついて離れなかった。彼の父はそんな彼にとぼけたフリをして、空からか?土からか?まるで禅問答のような問いを笑ってふっかける。この問いをまるごと生き抜いてみせるかのように、思い出は幕を閉じる。 もしもなんてことはないけれど、彼が今生きていても、やっぱり同じように、「めんどうだ」なんて言いながら、書くことを決してやめないでいるんだと思う。

Posted by ブクログ

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