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名づけられた葉 なのだから
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名づけられた葉 なのだから

新川和江【著】

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名づけられた葉 なのだから

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 大日本図書
発売年月日 2011/04/09
JAN 9784477023755

名づけられた葉

¥1,320

商品レビュー

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2024/05/24

「名づけられた葉 なのだから」 著者 新川和江 (1929年ー) 図書館よりお借りしました。 48篇、新川和江さんの子に語りかけるようなストレートなメッセージがあります。母の強さや優しさは、いつの時代も変わらないですね。中でも、平和を願う詩が強く印象に残りましたのでご紹介させて...

「名づけられた葉 なのだから」 著者 新川和江 (1929年ー) 図書館よりお借りしました。 48篇、新川和江さんの子に語りかけるようなストレートなメッセージがあります。母の強さや優しさは、いつの時代も変わらないですね。中でも、平和を願う詩が強く印象に残りましたのでご紹介させてください。 「骨も帰ってこんかった」 ひいじいちゃんの手の甲には 青いすじが 浮き出ている わしのナ、体の中の地図だよ この道をたどって行くと おまえや おまえの父さんや 若じいちゃん みんなの ふるさとがあるんじゃ サブはのう、かわいそうじゃった じぶんの弟の話をする時 ずいぶん昔のことなのに ひいじいちゃんは なみだぐむ 戦争にとられて 骨も帰ってこんかった 家族ちゅうあったけえもんもつくれず 若い美空で 死んでしもうた 南方の海で 輸送船といっしょに沈没させられて サブは 死んでしもうた 戦争はいけん ぜったきにいけん! 大きく首をふり ひいじいちゃんは ぶるぶる手をふるわせる 青いすじが いっそう青く 浮きあがる 戦争はいけん ぜったいにいけん! ひいじいちゃんの口ぶりをまねて ぼくも心の中でくり返し叫ぶ 骨も帰ってこんかった 戦争はいけん ぜったいにいけん、戦争は!   本を最初に手に取った時にこの詩が開き、私の祖父が晩年に、お盆に仏壇の前で一人静かに座る姿が思い出されました。 平和への願いが込められたこの詩を、子どもにも伝えたいです。 それからもう一つ、 「緑の指」がありました! チトを思い出して嬉しくなりました。  他にも「おばあさまの庭」も好きですし、、、 あげるとまたキリが無くなるのでこの辺で。

Posted by ブクログ

2024/05/07

新川和江さんの詩集ですね。 新川和江さん(1929年、茨城県生まれ)詩人。  数々の賞を受賞されています。  透明感のある優しい慈愛にみちた童謡詩集です。      名づけられた葉  ポプラの木には ポプラの葉  何千何万芽をふいて  緑の小さな手をひろげ  いっしんにひらひ...

新川和江さんの詩集ですね。 新川和江さん(1929年、茨城県生まれ)詩人。  数々の賞を受賞されています。  透明感のある優しい慈愛にみちた童謡詩集です。      名づけられた葉  ポプラの木には ポプラの葉  何千何万芽をふいて  緑の小さな手をひろげ  いっしんにひらひらさせても  ひとつひとつのてのひらに  載せられる名はみな同じ〈ポプラの葉〉  わたしも  いちまいの葉にすぎないけれど  あつい血の樹液をもつ  にんげんの歴史の幹から分かれた小枝に  不安げにしがみついた  おさない葉っぱにすぎないけれど  わたしは呼ばれる  わたしだけの名で 朝に夕に  だからわたし 考えなければならない  誰のまねでもない  葉脈の走らせ方を 刻みのいれ方を  せいいっぱい緑をかがやかせて  うつくしく散る法を  名づけられた葉なのだから 考えなければならない  どんな風がつよくとも       一里塚牧場  うす茶いろの  つけまつげをしたみたいな  うるんだ目で  あの牛がわたしを  じいっと見たのよ  お母さん  あの牛のミルクで  わたし 育ったのかしら  じぶんの子を見るような  やさしい目で  わたしを見たのよ  お母さん  だまって わらって  お母さんは  柵のそばの 草の上に  ピクニックのおべんとうを  ひろげます  そうよ そうよ  というふうに  五月の風が  吹いています     幸福  こちらは どんより   曇っているのに  むこうの山には日が当たっている  屋根や 窓ガラスが  明るく光って  そこに住むひとびとは  みな 幸福そうだ  こちらの野に  日がさしている時  金いろにかがやく稲田を見おろして  そのひとたちも  こちらに住むわたしたちのことを  うらやむことが あるのだろうか  幸福というものは  どちらに ある ない  というものではなくて  見たり 感じたり 考えたり  することが  できる  ということなのかもしれないね      五月の風に  ポプラの若葉が  五月の風に  ちいちゃな手を ヒラヒラ ヒラヒラ  おいでおいでしてるのかしら  それともバイバイしてるのかしら  わたしはいそいそ 丘にのぼって行く  この春孵(かえ)って  はじめて空をとぶ小鳥も   はじめて野に出る  町のおさない子供たちも  安らかでほんわかとした、愛らしい詩編に心を惹かれます。リズミカルに命の素晴らしさを謳えあげていますね。  初めて新川和江さんの詩集にふれましたが、すぐに好きになりました。  

Posted by ブクログ

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