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中国の新しい対外政策 誰がどのように決定しているのか 岩波現代文庫 学術248
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2011/03/18 |
JAN | 9784006002480 |
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中国の新しい対外政策
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中国の新しい対外政策
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中国の新しい対外政策 誰がどのように決定しているのか 著:リンダ・ヤーコブソン 著:ディーン・ノックス 監:岡部 達味 岩波現代文庫 学術248 胡錦濤時代の中国は、外交政策や安全保障政策をどのようなプロセスで決定しているのだろうか。 西側の代表的なシンクタンクである、ストック...
中国の新しい対外政策 誰がどのように決定しているのか 著:リンダ・ヤーコブソン 著:ディーン・ノックス 監:岡部 達味 岩波現代文庫 学術248 胡錦濤時代の中国は、外交政策や安全保障政策をどのようなプロセスで決定しているのだろうか。 西側の代表的なシンクタンクである、ストックホルム世界平和研究所のスタッフが考察したのが、本書である 現在の習近平の中国の話ではないので、ブラシュアップが必要である ■総括 調査の目的は2つ ①誰が対外政策決定への関与者であるのかを明らかにすること ②彼らが中国の対外政策について望んでいる方向性を理解すること 中国政府は、いくつかの部門で、共産党と重複しているが、それぞれの権限と影響力は、政府のポストではなく、党内での序列によって決まる ■組織 どんな組織が、外交や、安全保障政策の決定に関与しているのか 中央政府で、対外政策問題を扱うのは以下の組織が絡んでいる ●党外事指導小組 国務委員 国際部長 外交部長 商務部長 国防部長 国家安全部長 ●党中央対台湾工作指導小組(国務院にも属している) ●金融経済工作指導小組 ※各小組には 調査、政策提案、調整活動を行う、弁公室がある ●党中央委員会政策研究室 ●党中央委員会中央書記処弁公庁 ●党中央員会中央国際部 ●党中央宣伝部 ●党中央対外宣伝弁公室 ●党中央組織部 ●国務院 温家宝総理が率いる、国務院は、中国政府の最高機関であり国家関係において、中国を代表する 外交部:近年立場が弱体化しつつある 大使:各大使個人の条件によって決まる 商務部 財政部 国家安全部 チベット問題 ●中国人民銀行 ●国家発展改革委員会 エネルギー分野の対外政策 ●解放軍 海洋安全保障の重要性が高まっている ●中央軍事委員会 軍の最高任務は、党を守ることである ■政策決定 それら組織で人々はどのように結びついているのか 官僚たちは、将来の妥協を容易にするため当初のメモや提案書の段階から曖昧な言葉を使い、主流となる意見に反することなく、責任を問われないように、問題を回避する 幹部たちの、家族関係、出身地、級友、履歴をくわしく調べることでその人物の関係網を理解することができる 党学校での教育は、重要な関係性をもつ 政策決定者の思考に影響を及ぼすもの ①党の大衆教育 ②幹部に対する内部教育 ③海外で受ける教育 ■周辺組織 中央政府だけでなく、周辺にて、対外政策決定の過程に関与しているもの ●国有企業 ●金融機関 ●資源産業 ●地方政府 ●研究機関 ●メディア ※中国は移民政策でアフリカへの進出を増加させている ■結論 中国の3つの動向 ①対外政策形成における権限が細分化され、外交部はその一部を分かちあうほどに、追いつめられている ②対外政策決定者が採用した中国の国際化へのアプローチが多様である ③中国は、その国益を守るため国際的な約束事のルール作りをすることにより積極的になるべきだ、という広範な合意が特に新しい対外政策への関与者の間で存在している 毛沢東時代はともかく、党中央とくに、最高機関がトップダウンで政策を決めることはなく、いろいろな機関が絡んでいて、その中で関与者が意思決定を図っていることが分かる 中国にも、スーパーシンクタンクである、中国国際経済交流センターなどがあり、官僚を支援している 目次 まえがき 謝辞 日本語版への序文 要約 略語 第1章 序説 第2章 対外政策における公的関与者 第3章 対外政策関与者の思考に影響する諸要因 第4章 周辺の関与者 第5章 結論 原注 事項索引 人名索引 ISBN:9784006002480 出版社:岩波書店 判型:文庫 ページ数:192ページ 定価:840円(本体) 2011年03月16日第1刷発行
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2011年刊。 共産党による一党独裁。これが中華人民共和国で措定される政治的意思決定への印象論だ。そして、この印象を助長したのが毛沢東の存在。 しかし、その印象は実態に合わないと本書は解説する。つまり複数のプレイヤーが対外的な意思決定に関与し、時に、速断を要する意思決定に遅れを来していると。 本書の情報源は数多くの中国人高官へのインタビュー、公刊史料の幅広い調査に依り、薄い本だが、かなりの読み応えで、内容も貴重だ。 勿論、それは中国の外交的意思決定に関し、制度面でも実態面でも多くは未だに秘密のベールに隠されているからだろう。現に著者らも、未だ不明な点が多いことは承認しているほど。 そういう意味で中国ウォッチャへの必読文献の一であることは間違いなかろう。 さて、本書の帰結だが、①中国の人民・企業などの海外展開が広がるにつれ、関係各署がそろって重視し強調する中国の国益概念が流動化・拡大傾向にある点。 一方、②海外展開の進展に伴い、国内の外交的意思決定の権限が細分化され、時に機関相互の利害対立・衝突を来す場面が増大してきた点。 逆に、中国と交渉するには、各々の機関の相互関係と影響力の程度、範囲の分析が前提となってきている。パイプは一本で足りないのだ。 ところが③その中核となる党構成員、就中、党学校の卒業生は、未だに毛沢東・中国共産党的イデオロギー色の濃い教育を受けてきたという現実もある。 なお④諜報・スパイ等公安活動への言及は皆無。解放軍の外交への影響力には若干言及があるが、関係各署との利害調整の難しさは他と変わらず。ただ昨今の暴走気味に見える人民解放軍を「"関東軍化"」といった単純な構図では語れはしないとも。 ところで、訳者はネットで本書の原本の情報を得たとある。すなわち、電子媒体というツールのある現代社会。ここでは、情報の窓口は語学力の役割。研究者とか○○ウォッチャーという立場の人は、英語を軸とした語学力醸成の高度化はもはや避けて通れないのだろう。これが痛感させられる。 著者リンダ・ヤーコブンソン、ディーン・ノックスは何れもストックホルム国際平和研究所所属、「中国と世界の安全保障」Pの責任者と研究補佐。
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この時期だからこそ再読。外交部の力が弱り、国防、商務、金融が独自の外交権限を持ち始めてるって記述、民主党はちゃんと押さえてるのかな…と不安に。中国外交の仕組みやその仕組みの変化を理解したい方にオススメです。
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