商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 長崎出版 |
発売年月日 | 2011/02/02 |
JAN | 9784860954444 |
- 書籍
- 児童書
ききゅうにのったこねこ
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ききゅうにのったこねこ
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商品レビュー
3.4
9件のお客様レビュー
いつもの図書館で借りてきた、「猫の日」絵本のラストは、「マーガレット・ワイズ・ブラウン」と、「レナード・ワイスガード」の名コンビによる、ノスタルジーに溢れた(オリジナルは1952年)、『ここではないどこかへ』の物語です。 まずは表紙の素敵なデザインに注目がいき、スカイブルーの外...
いつもの図書館で借りてきた、「猫の日」絵本のラストは、「マーガレット・ワイズ・ブラウン」と、「レナード・ワイスガード」の名コンビによる、ノスタルジーに溢れた(オリジナルは1952年)、『ここではないどこかへ』の物語です。 まずは表紙の素敵なデザインに注目がいき、スカイブルーの外枠は、大空の爽やかさをイメージさせ、これから始まる物語の期待を高まらせるし、周りの風景に、どこか素朴な美しさを感じられるのは、レナード・ワイスガードの、下地の白を生かした、シンプルで手作り感のある温かい絵柄であり、気球に乗った「こねこ」も、どこか楽しそうです。 しかし、表紙をめくって現れた、見返しの絵柄は、コーラルピンクを下地にした、白抜きの絵で、そこに描かれていたのは、無人の気球たちの飛んでいる姿であり、周りの風景は、一枚の葉っぱも無い裸の木々が目立つ、どこか寂れた感じであり、この差は何だろうと驚きました。 そこで、コーラルピンク色の意味を調べてみたら、いくつかある中に『繊細』の意味があって、まさに、硬い殻で守られた中にやわらかい部分をもった、「コーラル(珊瑚)」を想起させられて、それはちょうど、物語のこねこの、ごく普通の猫を装いながらも、実は、ねずみが苦手だったという、決して触れられたくない、心の繊細さを表しているのだと思いました。 改めて物語を読んでみると、ねずみのいないところへ行こうと、気球に飛び乗ったこねこが、風の吹くまま気の向くまま、世界をのんびりと漂う話で、行く先々で様々に移り変わってゆく、美しくも郷愁的な景色を眺めることができ、楽しく味わい深い一面もあるが、白黒とカラーの絵柄を繰り返す構成には、どこか緊張感漂うものがあり、時には、ねずみより怖いものにも遭遇して、決して順風満帆の旅ではありませんでした。 また、そんなこねこの繊細な思いに、気球から見下ろした世界の住人たちは気付きません。 「ぼくは いま、どこに いるの?」 「あなたは、いま、ききゅうに のっているじゃありませんか」 そう、下の世界に住むものたちは、気球に乗って旅をしている、こねこの様子に、さぞ楽しいのだろうなと感じるだけで、誰もこねこの質問の、真に意味するところを、理解してくれそうにありません。 せっかく、ここではないどこかへ向かおうとしているのに、これでは、いつまで経っても変わらなそうで不安になりますが、これは、おそらく人生に擬えてもいるのではないかと思われて、時には、自分の直感を信じて(ここ、とても大事)、飛び降りてみる勇気も必要だと、言われているように感じられました。 「ぼく、おりてみるよ。いい ところに ついたみたいだから」 こねこも、その周りの景観から何か感じ取るものがあったようで、ついに心を決めて気球から降りてみた、その場所は、果たして理想郷だったのでしょうか? いえ、場所ではなくて、最も大切なものは他にあったという、読めば納得の結末だったのですが、ここまで辿ってくる物語の構成が見事で、読んでいて、旅を通した、こねこのひとつの成長を垣間見た思いがしたと共に、世界とは、案外孤独では無いのかもしれないということを実感させられて、本書はある意味、マイノリティ達への人生に捧げる、ささやかなエールのようでもありました。
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主人公は ねずみを追うのではなく ねずみに追われるこねこです。 ここではないどこか新しいところを求め 気球に乗り込み旅を始めます。 うろ覚えですが 静かで空気がおいしくて 落ち着ける土地を求めての旅です。 都市の喧噪をはじめとして サーカス、汽車、飛行場…、 読み手も感情移入...
主人公は ねずみを追うのではなく ねずみに追われるこねこです。 ここではないどこか新しいところを求め 気球に乗り込み旅を始めます。 うろ覚えですが 静かで空気がおいしくて 落ち着ける土地を求めての旅です。 都市の喧噪をはじめとして サーカス、汽車、飛行場…、 読み手も感情移入しそうな 人為的な冷たい仕打ちを受けます。 人生の縮図かよというような。 最後は激しい雷までこねこに襲いかかり 天はこねこを見放したのか… と思いそうになります。 しかし最後に待っていたものは 最高の結果です。 誰もが予想し期待するような結末です。 極めて正統的な物語です。 最後に感想を。 オーソドックスが嫌い というわけではありません。 オーソドックスに終わらせるつもりなら 予感できる言葉を最初から使っていては 途中の苦労や苦難が薄まってしまいます。 ああ、やっぱり、そこに落ち着くのね、とか 別に苦労話はあってもなくても そこに行き着く予定じゃん、とか。 苦労をもっと薄くした自分探しの ストーリーにしたほうが気楽に読めて好きです。 艱難辛苦をへて最高の結末に至るのだから それ相応のやむにやまれぬ旅の理由がほしい。 ここではないどこかを求めて 旅立ってみたけれど 一回り大きくなって帰ってみると 逃げ出して居場所を探しあてるより 旅の中で自分を変えたように 今いる場所を自分で変えていくほうが 大事だと気づいたとか そっちのほうが好きだなあと考えました。 根性論が好きな日本人だからでしょうか。
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それはまるで、人生みたいだ。 ねずまにおいかけられてばかりの暮らしにうんざりしたねこは、ある日気球に飛び乗った。 「ぼくは ねずみのいない ところへ いこう。たかいきが あって、くうきもきれいな もりがあるといいな。」 ききゅうとともに流れゆくねこ。いろんな場所をとおり、カ...
それはまるで、人生みたいだ。 ねずまにおいかけられてばかりの暮らしにうんざりしたねこは、ある日気球に飛び乗った。 「ぼくは ねずみのいない ところへ いこう。たかいきが あって、くうきもきれいな もりがあるといいな。」 ききゅうとともに流れゆくねこ。いろんな場所をとおり、カミナリにあったり、ピエロに邪魔者扱いされたり。。 ちょっとした冒険の末には…素敵なことが、待っているのです。
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