ふたしかな僕たちは、 gateau C

さがのひを(著者)

• 販売会社／発売会社: 一迅社
• 発売年月日: 2010/12/15
• JAN: 9784758071253

商品レビュー

2015/01/12

もともと友達として両思いなのに、受けがレイプされてしまうことでいろいろこじれてしまう中、クラスメイトのゲイの子が好きな人が親友の女の子の彼氏っていう、なんとも切ない気持ちを抱えたハタの存在が、なんともまた男同士の難しさをあらためて感じさせてくれました。

2012/10/29

BL漫画。
なんか不思議な作風だ。
重い出来事をあっさり描いているのに軽んじる風でもない。
だから重く読むか軽く読むかで解釈が変わる。

キャラクターは男子で、女の子の代用みたいな「可愛い」男子ではないけれど、これは女子の話な気がする。
見た目や性格設定じゃなくて、枠組みとか傷つけられかたなんかが。

主人公はバイトの同僚に飲みに誘われて「フラフラついていって」レイプされる。
男性だって被害にあうし、この子はレイプされる前から別の男友達に恋心を抱いていて、しかも「男なのに男にやられた」ことに傷ついている。
しっかり男子の設定なんだけど、やっぱり女子の体験っぽいと思う。
そんなに悪い意味じゃなくて。

このキャラクターが男子であることで「のこのこ部屋までついていったらやられても文句は言えない」みたいな見方をフラットにできる。
反面、男性の性被害を女子の文脈に読み替えてしまうようでもある。
これは私が「女子の話」として読んだからそう見えるだけで、普通に男子の話なのかもしれないけれど。

空と緑の話は、女子をあっさり都合良く退場させる展開に見える。
でも、涙を流しつつもあっさり譲れちゃう程度の恋だからダメになっちゃうのかもしれないとも思う。
ボーイズのラブを描くはずのBL漫画で、恋より大事な(しかも男女間の)友情を描いているのは面白い。

このふたり以外のキャラクターも、恋するふたりだけで完結しない。
恋愛にならない友人に救われるとか、恋愛じゃない大事な関係がそれぞれにある。
男が好きな男イコール心は女の子！という思い込みが思い込みとして書かれているのも良い。

2012/08/04

登場人物ではハタくんの方がもしかしたら主人公として描きやすいのかな？と思いました。なんとなく、メインの2人の方が、今までの作品で脇役が多かった気がしたので。