ヘルタ・ミュラー短編集 澱み

ヘルタ・ミュラー(著者), 山本浩司(訳者)

• 販売会社／発売会社: 三修社
• 発売年月日: 2010/10/14
• JAN: 9784384043495

商品レビュー

2020/03/12

すきな先輩がヘルタミュラー 研究してることをしって、ドキドキしながら読んだんだけど、ほんとうにむずかしくて(!)一行も頭に入ってこなくて、へとへとになって諦めちゃった。先輩すごいなぁ、かっこいいなぁ、わたしには到底届きそうもないなぁと思った。

2019/07/04

表題作。むせかえる花の匂い、糞尿、ネズミ、蛇、野良猫、野良犬、子牛、死骸、血、蟻のまざった砂糖、多すぎる箒、村が消える夜、母の暴力、母や祖母の皺としなびた胸、湿地、沼の凝固...
閉鎖した村の家族の暮らしを少女が語る。上にあげたような、ときに思わず顔をそむけたくなるような事物の描写が、全体を重苦しくしている。そのなかで、たまに風を通してくれるのが、描写の比喩（半月のような母の横顔やIch war eine schöne sumpfige Landschaft. など）少し笑える（と言っていいのかわからないが）エピソード（獣医の自転車のサドルに糞を残して去った鶏など）である。

2012/12/26

「ヘルタ・ミュラー短編集 澱み」（ヘルタ・ミュラー：山本浩司 訳）を読んだ。中でも『澱み』は凄いな。頭の中でパチパチと爆ぜるような文章と、絶えず付きまとう得体のしれない哀しみの気配が、読む者を、来るつもりではなかった見知らぬ場所に誘う。まさに途方にくれる程に胸を打つ。お薦め。