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「親の顔が見てみたい!」調査 家族を変えた昭和の生活史 中公文庫
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「親の顔が見てみたい!」調査 家族を変えた昭和の生活史 中公文庫

岩村暢子【著】

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「親の顔が見てみたい!」調査 家族を変えた昭和の生活史 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2010/08/25
JAN 9784122053540

「親の顔が見てみたい!」調査

¥1,005

商品レビュー

4.2

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2019/04/12
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本書のターゲットは「母親」である。特に「新人類」と言われた世代(いわゆるバブル世代ですね)の母親たち、彼女たちがどのような社会的状況に揉まれて生きてきたか、そしてその結果がどのように現在の社会に反映されているか、ということをアンケートやインタヴューをもとに検証されているわけです。 インタヴューから引用されるひとつひとつのコメントを読んでいくと「ウッソォ、アホちゃうん」と思わされることばかりなのだけれど、それらを枝葉として追っていった幹の根本には思わず納得せざるを得ない結果がボーダイにまとわりついているのにうわああああああ、だったのでした。 オカンらはまず、幼少時から価値観の変遷とともに暮らしてきたのですね。小学校になるやならず「教科書の墨塗り」ということをやらされ、社会的価値観を根本から覆される。十代になると「男女平等」が一般化したした社会の中で、女も働いて自分の収入を得、自分のためにそれを消費して遊ぶことさえできる青春を謳歌して、見合いではなく「自分の選んだ人」と結婚して「家付きカー付きババア抜き」という家父長制から独立した核家族の中で「専業主婦」という一般市民としては前代未聞に優雅なご身分をゲットしたわけです。 そしてそのささやかなお家の中では戦後日本の牽引車のひとつであった栄光の白モノ家電に取り巻かれ、従来の家事労働は歴史の彼方に追いやられてしまいました。余った時間は子どものため、あるいは自分の社会的存在維持のために使われるようになりました。 でも、いいことばかりだったのでしょうか? まず圧倒的な「モノ」の威力の下、家電でも何でも「新しいもの=是」という価値観が生じました。何でも新しいモノが出たら買う。買わないと「遅れてしまう」。これはもの凄くネガティヴな価値観となったのです。何を、どの程度持つべきか、そういうことを考える間もなくあらゆるモノはモデルチェンジを重ね、シーズンごとに新しいモノが出る。何とかそれに追いつかないと「人並み」ではなくなるのです。 でも、「人並み」の「人」って誰? 何かに急かされるように、彼女たちはモノを買い換え、子どもに習い事をさせ、自分はカルチャーセンターで「社会勉強」をし、余った時間は子どもを構う。受験についてくる「過保護ママ」の走りは彼女たちでありました。 結果としてどうなったか。 オカンたちは自らの価値観を育てるゆとりを持てなかった。だから自分の意見というものに自信がない。故に子どもに伝えるモノが無いのです。子どもの好き嫌いは「意志の尊重」として見過ごし、経験者の知識よりハウツー本の「情報」がより勝る。社会的義務にも「敵/不適」で対応し、モノゴトの得手不得手は「遺伝」で決まる。彼女たちはこういうポリシーの下で子どもを育ててきたわけです。

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2016/11/22

同著者の別本も同時に読んだからちょっと内容が混濁してるとこがあるかもしれないけど、どちらにせよ現在の家庭の食卓の変化を調査した本。研究資料としてもすごく価値が高いが普通に読むだけでもおもしろい。他人の家庭の日常的な食卓を覗く機会なんて考えてみればほとんどないから驚きの連続だった。...

同著者の別本も同時に読んだからちょっと内容が混濁してるとこがあるかもしれないけど、どちらにせよ現在の家庭の食卓の変化を調査した本。研究資料としてもすごく価値が高いが普通に読むだけでもおもしろい。他人の家庭の日常的な食卓を覗く機会なんて考えてみればほとんどないから驚きの連続だった。 今の家庭の食卓がここまでひどいのか…と驚くと同時に各時代の社会に食卓がすごく影響を受けるということがよくわかった。アンケートに書かれていた主婦たちの言い分も様々、その親世代の経験や考えていること、子供に求めている事も様々。 当たり前で何の疑問も持たなかった家庭の食卓がいかに複雑なルートを経て現在に至っているか、改めて目を向けてみる価値はあると思う。

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2013/06/22

原題は『〈現代家族〉の誕生―幻想系家族論の死』という挑戦的なものだった。簡単に言えば、最近の親は…という批判は文脈として当たらないというもの。団塊世代が今の若者を批判する資格などなく、むしろ、彼らこそが、カレーライスや電化製品を嬉々として持ち込み、いわゆる伝統習慣を破壊してきたと...

原題は『〈現代家族〉の誕生―幻想系家族論の死』という挑戦的なものだった。簡単に言えば、最近の親は…という批判は文脈として当たらないというもの。団塊世代が今の若者を批判する資格などなく、むしろ、彼らこそが、カレーライスや電化製品を嬉々として持ち込み、いわゆる伝統習慣を破壊してきたということが、実際の聞き取りによって明らかにされている。小題の付け方も判りいい。目次をざっと眺めれば、現代家族の変遷と問題点がすぐにわかり、うすら寒い気もする。これまで読んだどの家族論よりもさっぱりしているが、明快に事実を語っている。

Posted by ブクログ

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