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硫黄島 栗林中将の最期 文春新書
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硫黄島 栗林中将の最期 文春新書

梯久美子【著】

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硫黄島 栗林中将の最期 文春新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/07/20
JAN 9784166607617

硫黄島 栗林中将の最期

¥880

商品レビュー

4.1

13件のお客様レビュー

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2023/07/27

あとがきの司令部壕を訪れた時の話が印象に残った。 死んだ、のではなく、生きた。 生きた時間、空間に心を寄せて、知る、学ぶ。 でんでんむしの悲しみも読まねばと思った。

Posted by ブクログ

2023/07/02

硫黄島関連の本をまたしても読んでしまった。 本のタイトルにある、栗林中将の最後は本書の1篇でしかなく、他は硫黄島にまつわる独立した外伝ともいえる4編で構成されている。 いつもの綿密な取材と膨大な資料の読み込みに裏付けされた、80年前に何があったのかを多角的に掘り下げ、その全体像を...

硫黄島関連の本をまたしても読んでしまった。 本のタイトルにある、栗林中将の最後は本書の1篇でしかなく、他は硫黄島にまつわる独立した外伝ともいえる4編で構成されている。 いつもの綿密な取材と膨大な資料の読み込みに裏付けされた、80年前に何があったのかを多角的に掘り下げ、その全体像をあぶり出す内容で、改めて梯さんの仕事ぶりに感心する。 なかでもとりわけタブー視され忌避されているであろう、捕虜を殺して食べた事件に迫る「ドキュメント4、父島人肉事件の封印を解く」はショッキングだ。 戦意高揚のため敵を食ってやるくらいの気持ちでなければ勝てないという現場のリーダーとしての立場や信念もわからなくもない。グアムの軍事裁判での開き直った首謀者の態度はいかにも軍人らしく、嘘をつく部下や罪をなすりつける卑怯者もいる。戦争という極限状態に置かれた人間だから仕方ないと割り切ることなどできず、今も昔も会社や組織内で、立場やパワーバランスと私的な感情が絡み合う中で、人がどう振る舞い、どう行動するかが当時と全く変わっていないと感じる箇所が多々あり、少々恐ろしくなる。

Posted by ブクログ

2023/06/15

「散るぞ悲しき」の完結編 今なお1万3千柱の遺骨が残る南海の孤島、硫黄島。両陛下が硫黄島に捧げる祈り、本書はそれで終わる。 「散るぞ悲しき」の取材のため、私は、平成16年の12月にこの島を訪れたが、そのとき、この日本にこんな場所があったのか衝撃を受けた。 約2万人の兵士が戦死...

「散るぞ悲しき」の完結編 今なお1万3千柱の遺骨が残る南海の孤島、硫黄島。両陛下が硫黄島に捧げる祈り、本書はそれで終わる。 「散るぞ悲しき」の取材のため、私は、平成16年の12月にこの島を訪れたが、そのとき、この日本にこんな場所があったのか衝撃を受けた。 約2万人の兵士が戦死したが、そのうち1万3千名の遺体はいまも見つかっておらず、戦闘中、米軍によって出入口がふさがれた地下壕に閉じ込められたままになっている。   銀ネムの木木茂りゐるこの島に五十年(いそとせ)眠るみ魂(たま)かなしき  硫黄島で皇后が詠んだ御歌である。 宮内庁の発表に、「両陛下がお気持ちを示した」とある場合、そこには皇后の意志もかなり含まれていると考えるべきだという。 玉砕の島を天皇が訪れるのは、史上初めてのことだった。 ふるさとを遠く離れて亡くなった兵士たちが、神話の中のヤマトタケルに重なった。 皇后がヤマトタケルの神話に言及していることに気づいたのは、硫黄島から帰った後のことである。 皇后は、「父のくれた古代の物語の中で、一つ忘れられない話がありました」として、ヤマトタケルとその后であるオトタチバナヒメの物語を紹介している。 ヤマトタケルにとって最後となる東国への討伐の旅の途中、海が荒れて船を進めることができなくなったとき、同行していたオトタチバナヒメは、海神の怒りを鎮めるため入水する。夫に使命を遂行させるため、望んで生贄になったのである。 そのとき、オトタチバナヒメは、こんな別れの歌をうたう。   さねさし相武(さがむ)の小野(をの)に燃ゆる火の火中(ほなか)に立ちて問ひし君はも しばらく前、枯野の中で敵に火を放たれたとき、燃え盛る火の中でヤマトタケルが自分の身を気遣ってくれたときの嬉しさと感謝。それを最後に告げて、オトタチバナヒメは死んでいくのである。   銀ネムの木木茂りゐるこの島に五十年(いそとせ)眠るみ魂(たま)かなしき  この歌を知ったとき、すぐに思い浮かんだのが、栗林中将の辞世である。   国の為重きつとめを果たし得で矢弾(やだま)尽き果て散るぞ悲しき 渡島前に硫黄島の戦いについて詳しく学ばれた両陛下は、戦史に必ずといっていいほど、引かれるこの歌を知っていたはずである。 硫黄島で詠まれた天皇の御製は次のようなものであった。   精魂を込め戦ひし人未だ地下に眠りて島は悲しき 両陛下が揃って、「悲しき」で終わる歌を詠まれたことは、私には偶然と思えない。 この御製と御歌は、49年の時をへだてた、栗林への返歌のように思えるのである。 目次 まえがき ドキュメント 1 栗林忠道 その死の真相 ドキュメント2 三人の若き指揮官の肖像 ドキュメント3 バロン西伝説は生きている ドキュメント4 父島人肉事件の封印を解く ドキュメント5 美智子皇后 奇跡の祈り わたしの硫黄島 あとがきに代えて ISBN:9784166607617 出版社:文藝春秋 判型:新書 ページ数:232ページ 定価:800円(本体) 発行年月日:2010年07月 発売日:2010年08月05日第2刷

Posted by ブクログ

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