商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 駒草出版 |
発売年月日 | 2010/06/18 |
JAN | 9784903186788 |
- 書籍
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野宿に生きる、人と動物
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野宿に生きる、人と動物
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野宿者とその人たちが飼っている動物たち。作者は獣医として、野宿者の飼っている動物たちを無料で診察するボランティア活動を通じて野宿者たちと知り合い、交流を深めていく。 野宿者に対して獣医として、ではなく人と人として垣根なく関わり、動物たちに対しても心からその幸せと安寧を願っている作...
野宿者とその人たちが飼っている動物たち。作者は獣医として、野宿者の飼っている動物たちを無料で診察するボランティア活動を通じて野宿者たちと知り合い、交流を深めていく。 野宿者に対して獣医として、ではなく人と人として垣根なく関わり、動物たちに対しても心からその幸せと安寧を願っている作者の優しさや人としての公平さ、偏見のなさが文章から滲み出ている。 この本に出てくる、作者以外の、野宿者たちを支援する人たちは、自分の本当にしたいことがなにかをわかっていて、世間に振り回されていない価値観を持っているのだろうな、と羨ましい気持ちにもなる。 私は動物は好きだが、衛生的な観点から日常的に関わりたくはないし、同様に衛生的な観点から、作者さんのように野宿者に対し偏見なく関わることはきっと出来ない。そしてきっとこれからも彼らを助けるために行動を自ら起こすことはないのだと思う。 それでも彼らの置かれている環境や苦境を知ることで、何かきっかけがあれば彼らのプラスになる選択をできるのかなとは思う。 自分が本当にしたいことはなんなんだろう。それがわかれば、この本に出てくる人たちみたいに世間の価値観や目に振り回されなくなるのかな。 以下抜粋および感想 ●野宿者たちは、動物を積極的に飼うわけではぬ、やむを得ず保護するという経緯が多い→少し考えればその通り。それなのに、自分の生活もままならないのにみたいな批判的な気持ちがあったとハッとする。 ペットを飼う人の中には動物を飼うのがアクセ感覚みたいな人もいると思うけど、野宿者たちは動物をひとつの命として尊重しているからこそ、保護して世話して可愛がり、時に自分の命を削りながら動物の命を守り、まさに共に生きている。もちろん野宿者でない人たちの中にもそういう人たちはいるのだろうけど、野宿者たちはそういう気持ちで心から動物を大切にしている人しかいないのではないかと思わせられた。 ●野良の犬猫や殺処分の犬猫を救う活動は、特定の人たちがになっているけど社会全体の問題→前述のように動物は好きだが、衛生的に共存はしたくない。ペットがこの世に存在するから、ペットからあぶれた動物たちが社会問題になるのであれば全てのペットを禁止してほしいくらいの気持ち。なので、"社会全体の問題"と言われても、とっさの気持ちは反感だった。でも視野狭窄になってはいけない。動物と共に生きて、動物に救われている人たちも沢山いるのも、事実なのだ。自分がたまたまそうでなかっただけ。私は子供を産み育てているけど、子供が好きでない人だって社会のなかで間接的に私の子育てを助けてくれているのと同じだ。 ●人間には皆知る権利がある。知りたくても知ることができない環境にある人には、知る人がきちんと伝えていく責任がある。 →情報社会の中、そこにも格差が生じていくのは必然。富のようにわかりやすいものだけでなく、情報のように"人生を左右し時に死活問題に関わるが、格差が分かりにくいもの"は沢山あるのかもしれない。それらの格差を、持てるものが埋めていく。普遍的なモラルになっていってほしい感覚だ。
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シンパシー。 野宿仲間が過酷な生活の中で小さな命はかけがえのない家族なのだ。明日自分の命もわからない。そんな中で、そばにいる動物たちは確かで信じられる尊い存在。
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野宿者のペットを診る獣医師という視点に興味を持って読んだ。この人の考え方や活動にケチを付けるつもりはない。だけど本として読んだときに、著者と対象である野宿者やそのペットとの距離感が近過ぎると感じた。実際の関係が親密なのはよくわかる。突き放して書くということではなく、もうちょっと客...
野宿者のペットを診る獣医師という視点に興味を持って読んだ。この人の考え方や活動にケチを付けるつもりはない。だけど本として読んだときに、著者と対象である野宿者やそのペットとの距離感が近過ぎると感じた。実際の関係が親密なのはよくわかる。突き放して書くということではなく、もうちょっと客観的な視点が欲しかった気がする。これは読み手である私の問題であって、私がうまく本の中に入り込めなくて勝手に疎外感を感じただけかもしれない。あるいは、著者は本の中で人や動物を少しでも傷つける恐れがある文章を書けなかったのかもしれない。それほどやさしく共感力の強い人だから、こういう活動ができるのでは?、とも思う。
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